インドパシフィック合同軍編 終章 始まりは破滅への1歩
みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。
インドパシフィック合同軍合同空軍司令官兼在日アメリカ軍司令官のレイ・アッカ―・ブレンバ大将は、在日アメリカ空軍横田基地の司令官室で、夕日を眺めていた。
「80年前の夕日といっても、我々の時代の夕日と変わらない」
「我々の時代では無く、我々の世界の・・・では、ありませんか?閣下。彼らの話では、我々が来た時点で、この時代は我々の過去とは違う、1つの世界として独立しました・・・」
副官である中佐の言葉に、ブレンバは夕日を眺めたまま、答えた。
「1つの世界では無く、元々、この世界は独立した1つの世界に過ぎない。自分たちのいる世界は1つでは無い。いくつもの並行世界が存在し、その1つから我々は来たのだ・・・」
ブレンバは、空軍士官学校出身の将官ではない。
州立大学出身で、予備役将校訓練課程を得て、空軍士官になった人物である。
予備役将校課程とは、アメリカ軍(陸軍、海軍、空軍、海兵隊)4軍(沿岸警備隊及び宇宙軍は該当しない)に採用されている制度である。
一般の学業と並行して、軍事教練及び将校課程を学び、将来の初級士官を育てる制度である。
アメリカでは一般的であり、予備役将校課程出身の士官は、アメリカ軍士官学校出身者よりも多い。
ブレンバは、州立大学で、天体物理学と宇宙学を専攻し、大学生時代は大学院生と教授の調査チームに同行し、地球に届いた宇宙から届け物を調査した程だ。
州立大学の卒業を控えた頃、大学院への推薦や大学教授の助手として席を用意されたが、彼は空軍士官になった。
空軍士官になったと同時に、宇宙を見たいという事で、戦闘機のパイロットになった。
戦闘機のパイロットとして実績を積むが、NASAの宇宙飛行士の採用試験には合格出来ず、そのまま空軍の幕僚としての道を進んだ。
「この世界で我々は先住民たちに何を残し、何を伝えるのでしょうか・・・?」
副官の問いに、ブレンバは振り返った。
「私にもわからない。かつて、アメリカ大陸で開拓にやってきたヨーロッパ人は、破壊と破滅だけを残した。それは、君の祖先たちが良く知っているだろう?」
「サー」
副官は、ネイティブアメリカンである。
「ニューワールド計画・・・それは我々にとっては初の試みであり、新たなる始まりであるが・・・この世界の人々にとっては、破滅への第1歩だ」
「・・・・・・」
「それで、嘉手納基地及び三沢基地の状況は・・・?」
「サー」
ブレンバの問いに、副官がファイルを開いた。
「嘉手納基地及び三沢基地は問題無く、タイムスリップに成功しました。1人の欠員も出ていません」
「うむ」
嘉手納基地及び三沢基地は戦時下編成であるため、在日アメリカ空軍に所属する作戦機も増強されている。
在日アメリカ空軍(第5空軍)第18航空団だけでも、F-15C/D[イーグル]飛行隊2個隊、F-15EX[イーグルⅡ]2個飛行隊、F-22A[ラプター]飛行隊2個隊、KC-135[ストラトタンカー]空中給油機隊2個隊、E-3[セントリー]早期警戒管制機隊2個隊等が配備されている。
さらに東南アジア及びインド洋で作戦を行う、連合軍及び独立軍の要撃戦闘機、多用途戦闘機部隊等が配備されており、嘉手納基地、普天間基地、辺野古基地に分散配備されている。
その規模は大規模な戦力である。
インドパシフィック合同軍編 終章をお読みいただきありがとうございます。
誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。
次回の投稿ですが、投稿予定日は未定です。
私事ながら、7月、8月、9月の3ヶ月間はお休みさせていただきます。
お休みの理由としては、パソコンの調子が悪いため、整備点検及び修理に出すため、ですと、この3ヶ月間は忙しい日々を送るため、投稿や感想の返信(返信に関してはできる日もあります)ができません。
そのためIFシリーズの投稿は10月から予定しています。
予めご了承ください。