インドパシフィック合同軍編 序章 3 休息
みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。
在日アメリカ陸軍第1軍団前方司令部勤務するビル・コンスタント・サンチェス大佐は、千葉県の狩猟可能エリア内の森林地帯で、日本人猟師たちと一緒に、千葉県で指定されている有害害獣を探していた。
サンチェスは、スコープを取り付けたM1500を握る。
「いない・・・」
共に千葉県に指定されている有害害獣を仕留めるために、在日イギリス大使館駐在武官のサー・マイロ・ジャースパ・エース・オルコット陸軍大佐は、春だと言うのに早い暑さに汗を拭う。
「獲物も頭が良いし、この暑さでは、なかなか姿を現さないだろう」
サンチェスが、つぶやく。
「こんなに暑いと、ビールが美味いだろうな・・・」
初老を迎えた、日本人猟師がつぶやく。
「それは、獲物を仕留めた時だ・・・」
同じく日本人の猟師(初老)が、つぶやく。
その時、草木を踏む音が響いた。
サンチェスとオルコットが、足を止める。
それに続いて、2人の猟師も足を止める。
「さすがは軍人さん。かすかな動きもわかる・・・」
「何を言う。儂も若い頃は、かすかな音も察知したわい」
「良く言うの」
「何を」
獲物に察知されないように、2人の猟師は小さな囁きで言い合いをしている。
サンチェスは、M1500をゆっくりと構える。
オルコットも、続く。
すると目的の獲物が、ゆっくりと現れた。
「見つけた」
自分が狙われているとは知らない、害獣であるキョンが茂みから顔を出す。
「この位置では、ダメだ。ビル、頼む」
「わかった」
サンチェスは、照準を合わせて、引き金をゆっくり引く。
銃声が響き、発射された弾丸が、キョンの頭部を破壊する。
「仕留めた」
「お見事」
「ふむ・・・酒のつまみが、できたわい」
「酒が進む」
サンチェスが、仕留めた獲物のもとに駆け寄る。
「では、キャンプ地に戻るか」
確実に仕留めた事を確認したサンチェスが、頷く。
キャンプ地に戻ると、他の猟師たちが集まっていた。
「イシガキ准将。獲物は仕留めたか・・・?」
サンチェスが、先にキャンプ地に戻っていた陸上自衛隊陸上幕僚監部に勤務する石垣達彦1等陸佐(1等)に、声をかけた。
「当然だ」
石垣が、指を指す。
そこには、3頭のキョンが置かれていた。
「3頭も仕留めたか・・・これは儂らの負けだな・・・」
「俺が仕留めたのは、1頭だけだ。残りの2頭を仕留めたのは、あいつだ」
すると、1人の男が頭を掻いていた。
「あいつか・・・」
「確かに、あいつなら2頭を仕留めるのは簡単だな」
「はい、はい」
話が途切れるのを待って、1人の中年女性が手を叩く。
「働いた男たちは、あそこでビールでも飲みながら、焼き鳥や天麩羅を召し上がっていてください」
「ここからは、私たちの仕事ですから」
1人の中年女性の後ろから、数人の中年女性たちが現れる。
中年女性たちは、銃を持った男たちに怯むことも無く、男たちを追い払った。
サンチェス、オルコット、石垣の3人は簡易な椅子に腰かけて、缶ビールを片手に簡易なテーブルの上に置かれた焼き鳥や天麩羅をつまんだ。
「この焼き鳥・・・いいタレを使っている」
「こっちの天麩羅も美味い」
サンチェスとオルコットが、焼き鳥と天麩羅を食べる。
「焼き鳥や天麩羅を作ったのは、居酒屋や和食店で女店主をしている人だそうだ」
「そうか、だからか」
「それなら、この美味さも納得だ」
この3人は、それぞれ、日本、イギリス、アメリカ等の国々で行われている極秘計画である[新世界計画]に参加する人物たちであった。
インドパシフィック合同軍編 序章3をお読みいただきありがとうございます。
誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。
次回の投稿は6月8日を予定しています。