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インドパシフィック合同軍編 序章 2 連絡要員

 みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。

 防衛省海上幕僚監部指揮通信情報部情報課に所属する鶴井三(つるいみつ)(ひで)3等海佐は、勤務地の東京では無く、海上自衛隊横須賀基地に置かれている自衛艦隊司令部に、顔を出した。


 自衛艦隊司令官である(しの)()真人(まこと)海将の執務室に隣接する控室に、鶴井はいた。


 スタッフから出された、緑茶を飲んでいた。


「鶴井3佐。自衛艦隊司令官が、お呼びです」


 スタッフから声をかけられて、鶴井は立ち上がった。





 スタッフが、自衛艦隊司令官室のドアをノックする。


「入れ」


 篠野の許可が出ると、スタッフがドアを開けた。


「鶴井3佐を、お連れしました」


 スタッフが言い終えると、鶴井が顔を出す。


「かけてくれ」


 篠野が、椅子を勧める。


 鶴井は、促されるままに、椅子に腰掛ける。


「貴官は、歴史改変に志願してくれた・・・貴官には貴官にしか出来ない任務を与える」


「はい」


「その前に・・・この計画の立案者である石垣(いしがき)達也(たつや)2等海尉を、知っているか?」


「統合幕僚監部統合戦史研究室で勤務する、幹部自衛官ですね。会った事はありませんが、話は聞いています」


「どんな話だ・・・?」


「兄は陸上自衛隊の才子である石垣達彦(いしがきたつひこ)1等陸佐の弟・・・自衛隊内部でも、かなり噂があります。将来の統合幕僚長に顔を覚えてもらうために、その弟とコンタクトをとって・・・という考えを持っている者もいるとか・・・」


「まあ、そうだな」


 篠野が、ため息をつく。


「石垣達也に関しては、兄はとても優秀であるが、彼は、それほど優秀では無い。はっきり言えば、戦史研究に没頭していればいいと思っている」


「司令官が、そのような判断をするという事は、かなりの無能という事ですね」


「あえて、口には出さん」


 篠野の教育者としての能力及び指導者としての能力は、誰も疑わない。


 鶴井自身も、それは承知している。


「将及び将補、1佐クラスに渡されている行動計画書だが・・・貴官にも読んでもらおう」


「よろしいのですか・・・?」


「ああ。貴官に与える任務は、それだけ重要だからな」


「わかりました」


「貴官は、公立大学の法学部(政治学)を卒業後、海上自衛隊幹部候補生学校に入校した。調査資料によると・・・外務省や法務省公安調査庁のキャリア組にも採用されているようだが・・・何故、海自に?」


「外務省や公安調査庁も、良かったのですが・・・世界の海軍軍人と顔を合わせたいと思いまして」


「ふうむ」


 篠野が、顎を撫でる。


「幹部候補生学校を卒業後、アメリカ海軍兵学校であるアナポリスに留学・・・その後、アメリカ大使館防衛駐在官補として勤務。原子力空母への乗艦経験もあり・・・」


 身上明細書を、読み上げていく。


「防衛駐在官補として、アメリカだけでは無く、韓国、台湾にも勤務」


「海上自衛隊生活最初の10年間は、外交要員として勤務しました。アジアの情勢を知る者も必要でしょう」


「貴官のそれが、今回、必要なのだ」


「?」


「貴官には、インドパシフィック合同軍司令部の連絡要員として、勤務してもらう」


「連絡要員ですか・・・」


「そうだ。在日米軍、在韓米軍、在台湾米軍等の志願者で、構成された合同軍だ。日本では自衛隊の統合任務部隊である菊水総隊、破軍集団、防衛局長官直轄部隊の上部機関として位置し、東アジア全域の安全保障を担当する」


「結局、アメリカの傘の下ですか・・・」

 インドパシフィック合同軍編 序章2をお読みいただきありがとうございます。

 誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。

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