インドパシフィック合同軍編 序章 2 接待と言う名の探り合い 2
みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れ様です。
インドパシフィック合同委員会在韓アメリカ支局長官のカルヴィン・クリフ・グリーンは、統合省外務局在韓日本在外公館の在外公館長たる特命全権大使である南部直樹と共に、京城のとある料亭で、朝鮮総督の南次郎陸軍大将のもてなしを受けていた。
「どうですか?我々流のおもてなしは?」
南が日本酒を飲みながら、2人に告げる。
「韓半島だと言うのに、韓人が誰1人もいない。もてなしをする女性は、全員日本人だ」
グリーンは、アメリカ訛りのある日本語で、答える。
「あらぁ~私たちでは不満ですかぁ・・・?」
彼に付いている若い女性が、不服そうに告げる。
「違和感に覚えるでしょうが・・・朝鮮では、内地で金の無い家が年頃の娘を売り、朝鮮に渡るというのが当たり前なのですよ」
「あらぁ~総督~お猪口が空っぽですわねぇ~はい、どうぞ」
20代後半の女性が、徳利を持つ。
「うむ」
「ところで、お嬢さん。朝鮮は独立するという話を聞いていますか?」
南部が、自分に付いている10代後半の女性に聞く。
「ええ、聞いております」
「どう思いますか?」
「正直に言って、私たちは困っています」
「どうして?」
「朝鮮は、金の無い内地の人間にとっては、金を稼ぐ場所です。それを失うという事は、多くの内地に住む家族たちが困るという事です」
「なるほど・・・」
「そうですよぉ~!総督~貴方様の力で、政府の無謀な計画を阻止して下さい~」
「うむ。いくら私でも政府内で決定された事を白紙に戻す程の権力は、持っていない」
「お嬢さんは朝鮮が独立したら、内地に帰りますか?」
「いいえ。内地には私の居場所はありません。在韓日本帝国人として、ここで暮らします」
「そうですか・・・」
内地である大日本帝国でも能力のある韓人は、独立する韓半島に戻るが、能力の無い者たちは、在日韓国人として大日本帝国で暮らすと主張している。
韓半島にいる多くの大日本帝国人は、在韓日本帝国人として、独立後の韓半島で暮らすと主張している。
「朝鮮半島南部で建国された大韓市国・・・最高国務委員長の邦夏英氏とも腹を割って話しましたが、彼は朝鮮人の事を理解している。さすがは未来の韓国人です。ですが、自分たちの手で独立を勝ち取るのでは無く、誰かの手で得られた独立を、彼らが大事にしますかね・・・?」
「そこが我々の頭を悩める事だ」
グリーンが告げる。
「このまま行けば中国国民党及び共産党にいいように利用されて、最後には彼らの傀儡国家になるのでは無いか?私は、それを心配している」
「韓半島が中国寄りになれば、再び大日本帝国の危機ですからね」
「そうです」
南部の言葉に、南が頷く。
「その時はぁ~陸軍さんが、敵を蹴散らしてくれるでしょう~?海軍さんと違って、陸軍さんは、強いですから~」
「いやいや海軍も強い。戦になれば、陸軍だけでは勝てない。海軍の力が必要だ」
「またぁまたぁ~・・・ご謙遜を~」
「謙遜では無いのだが・・・な」
「あらぁ~殿方様たちの日本酒が、冷めていますわぁ~」
年長の女性が、手を叩いた。
「熱燗を、お願いしますぅ~」
「では、そろそろ食事に取り掛かりましょう。重い話は、ここまでです」
「わかりました」
「はい」
「グリーン氏は、陸軍の将校だったと、聞いていますが・・・?」
「はい、学資が不足していましたので、予備役将校訓練課程を受講していました」
「なる程、なる程・・・苦労をなさったのですな」
そこからは、グリーンの予備役将校の訓練時代の話になった。
インドパシフィック合同軍編 序章2をお読みいただきありがとうございます。
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