インドパシフィック合同軍編 序章 1 司令官着任
みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです、初めての方は初めまして。
202X年。
アメリカ合衆国首都ワシントンDC。
国防総省[ペンタゴン]。
公用車が、国防総省の前に停車した。
アメリカ海軍の黒色の制服を着た1人の男が、公用車を降りた。
彼はアメリカ海軍に所属しているジョージア・ジョン・フォーリー大将である。
フォーリーは、前職までアメリカ海軍インド太平洋艦隊第7艦隊の司令官を、勤めていた。
国防総省の受付で、身分証を出した。
ピー!
という音と共に、ゲートが開く。
フォーリーは、そのまま国防総省内にある海軍省海軍長官室前にある秘書室に、顔を出した。
「おはようございます。大将」
長官秘書の女性が、挨拶する。
「おはよう。長官は?」
「お待ちです。どうぞお入りください」
「わかった」
長官秘書の女性が、長官室のドアをノックする。
「失礼します。長官、フォーリー大将がお越しです」
「失礼します」
長官席に腰掛けている海軍長官の、パーカー・カロリアル・ハートが出迎えた。
「フォーリー大将。大将に昇進したはいいが、役職が無くて、困っているだろう?」
「いいえ。息子の結婚式の準備に時間を割けましたので、役職が無かったのは幸いです」
「ご子息は、元気か・・・?」
「はい、海軍特殊戦コマンドに属しているのですが・・・妻のために、事務屋に転職しろと言っているのですが、言う事を聞かないのが悩みです」
「ご子息の武勲は、かねがね耳にしている」
「それで長官。今日、私を呼んだのは、そのような他愛無い話をするためですか?」
「いや、違う」
ハートは、書類を渡した。
「アメリカを含む世界各国で、極秘計画が準備中なのは聞いているな」
「ええ。歴史を改変する・・・恒久的世界平和と核無き世界を実現するために、80年前の世界にタイムスリップする軍事計画ですね」
「そうだ。文民機構は、ニューワールド連合と名付けられた。そして、ニューワールド連合事務総長直轄の連合軍としてニューワールド連合軍が創設された」
フォーリーは、書類をめくる。
「ニューワールド連合軍は、特定の管轄を持たず、世界全域が管轄である」
「各地域の管轄をするアメリカ軍とは、指揮系統が異なる」
「そうだ。在日アメリカ軍、在韓アメリカ軍、在台湾アメリカ軍等を統合した、インドパシフィック合同軍が新設された。日本、韓国、台湾等の軍事戦力の上部機関として位置される。任務としては、アジア等の安全保障を確保する事である」
「その総司令官は・・・とても大変ですね・・・現代の日本、韓国、台湾ならともかく・・・過去の大日本帝国と統治下の韓国、台湾と共同軍事行動をとるのは・・・」
「そうだ。武官としてだけでは無く、文民としての能力も求められる。そして、それが出来るのは、1人しかいない」
「・・・・・・」
フォーリーは、それが誰か理解した。
「そうだ。貴官しかいない」
「確かに私は、在日アメリカ軍、在韓アメリカ軍、在台湾アメリカ軍の軍人として、アジア人の心理は理解しています。ですが、それは第7艦隊司令官として・・・です。文民としては・・・」
「大丈夫だ。貴官は、第7艦隊司令官として、アジアの文民と軍事外交を行っていた」
フォーリーは、少し考えた。
「そうですね・・・このままでも仕事が無いのは、問題ですから・・・」
フォーリーは、立ち上がった。
「微力を尽くします」
「ああ、頼む。副官人事も決まっている。まだ、彼には話していないが、必ず引き受けてくれる」
インドパシフィック合同軍編 序章1をお読みいただきありがとうございます。
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