寒い日に君と会えたことで、僕の心が温かく灯る。
“僕は死にたい!”
25年もひたすら一生懸命に働いてきた会社を俺はリストラになる。
もともとリストラ候補があったらしく、俺がその中に入っていたのだ!
この会社に入った当時は、会社の上司から“バイトではなく社員として
うちの会社で頑張ってくれないか?”と言われ俺はこの会社の社員に
なったのだが、25年後経営が悪化したせいで俺はリストラにあう。
ほとんど強引に、自分の意思とは関係なく自分からこの会社を辞めたよう
な扱いを受ける。
俺はある日突然! 無職になったんだ。
こういう不運な事は次々起きるというが......。
母親が家で倒れて亡くなってしまった。
家賃も払えず、滞納していく。
直ぐに仕事も見つからず、日雇い派遣でなんとかその日を繋いでいく。
貯金も底をつき、食べるモノもなくなっていった。
俺は絶望に打ちのめされる!
飲めないお酒をコンビニに買いに行き、その場で夜中飲んでいると?
ヤンキー数人に絡まれ殴られ、財布に入っていた俺の有り金全部、
むしり取られる。
その日は寒く、雨が降り始め俺はトボトボ家に向かって歩いて帰っていた。
ずぶぬれに濡れながら、俺はこの先どうやって生きていけばいいのか、
全く分からなくなっていたんだ。
・・・そんな時、一人の女性が俺に話しかけてくれる。
『・・・こんな雨の日に、ずぶぬれに濡れて、大丈夫ですか?』
『あぁ、まあ、ううん、』
『良かったら? 一緒に私の傘に入りませんか?』
『あぁ、大丈夫だから、俺の事はほっておいてくれ!』
『“あら? お腹すきません?”』
『えぇ!?』
『この近くに美味しいお店があるんで、一緒に食べに行きませんか?』
『えぇ!? 初めて会った男と二人で、どうして?』
【グーっ】
『“お腹は正直ですね! さあさあ、食べに行きましょう!”』
『・・・・・・』
・・・お店の前に着くと彼女は俺の背中を押してお店に入れようとする。
だが俺はお金を一銭も持っていない!
その事を彼女に伝えると?
彼女は俺にこう言った。
『“大丈夫! 今日は私の奢りです、好きな物を食べてくださいね。』
『・・・あぁ、ううん、ありがとう。』
彼女は終始笑顔で、俺の冷めきった心が少しづつ心が温かく灯って
いくのが俺にも分かった。
彼女はこんな“底辺の俺にも優しく話しかけてくれるのか?”
俺も彼女に少し心を開いたのかな?
彼女の話を聞いて、少し笑顔になっていった。
3日間、ロクに胃に何も入れていなかったからなのか?
目の前に並んだ食事が、“今まで食べたどんな料理より1番!”
・・・この日から、俺と彼女はたまに会って二人で食事をするようになった。
俺も必死に頑張って、次に彼女と食事に行った時には俺がお金を出せるように
仕事も新たに社員で決まったんだ!
彼女と会った日から、“俺の幸運の歯車は回り出した!”
前向きに生きていく事。
母親の死を乗り越えていく事。
何より、新しい正社員の仕事が決まった!
全て彼女と会えた事で、俺の人生は好転していく。
“出会いとは? 良くも悪くも転んでいくが、俺は彼女と会えた事で人生を
もう一度! やり直そうと本気で想えた!”
今度は、君が俺を頼って一緒に生きて行ってほしい!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。