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【4】オウチノコト②

 「え? どういう事?」


「伯爵夫人の仕事は家の中の切り盛りや管財を管理する事が主でしょ? 後は社交? でも屋敷にはまだ人もいないし、そもそもあそこは会社でしょ?」



 片手を頬に添え考える仕草のリリー。



「うん、まあそうだね」



 確かに。と頷くアルフィー。



「管財って言ってもアルフィーの場合全て会社が生む利益だし、会計士と税理士が全部やってくれるのを最終チェックするのはアルフィーだし」



 と。続けるリリーに



「んーまあ、そうだね・・・」



 うーん、言われてみればと考えるアルフィーを見つめながら



「社交って言ったってお茶会や夜会は王城や貴族家に招待されて行くだけで、毎日行くわけじゃないわ」



 と、言い切るリリーに・・・



「・・・うん。そうだね・・・」



 目をキラキラさせてアルフィーを見つめるリリーと、何故か目を逸らしたくなるアルフィー・・・



「やる事無いなら、男性給仕(ギャルソン)やりたいのッ!! だからお店の上に住んだ方が便利でしょ?」


「あああぁぁぁ・・・やっぱり」



 女性給仕(セルヴーズ)じゃなくてやっぱり男性給仕(ギャルソン)なんだね、と遠い目をするアルフィーである。







 で、その後。




 困ったアルフィーが公爵家に相談に行くと、リリーを溺愛するオフィーリアとアレクシスが反対などする訳がなく。


 公爵閣下に至っては愛する妻が賛成するものを反対する訳もなく・・・


 リリー付きの侍女達も勿論お嬢様の男装のお手伝いのために我先に立候補した者達が公爵家から毎日毎日、日替わりでやって来ることになり。


 雇うのはコックだけという事になってしまったけれど・・・アルフィーが自炊出来るのでもう要らないんじゃね? という事になりかかったが。


 流石にソレは不味いだろう――だって公爵閣下本人が諜報員を動かしてる訳じゃないので、アルフィーがやたら忙しいと公爵様本人がマジ困るんで・・・――という公爵の助言もあったりなんかして。


 結局、大勢いる公爵家のコック達が日替わりで来てくれる事になったのであった。



 止めてくれるかもというアルフィーの淡い期待を他所(よそ)に誰も彼も二人がケーキカフェの上階に住む事も、リリーがギャルソンをすることも反対するどころか、公爵家からも近くて便利で素敵だわと(のたま)い毎日遊びに行くわ(よ)~、と喜んだのである・・・



 ――いや、あの、二人っきりになる時間減るのがちょっと、って思ってるの俺だけ!?―― 



 という、アルフィーの心の声は誰にも伝わる事は無く終わったらしい・・・













 公爵家(実家)近すぎだよね・・・


 南無三ッ!



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