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25 愚か者達の輪舞曲1

 人生において大切な岐路に立った時に選ぶべき選択肢を見失う瞬間がある。


 ――唯のプライドだったり


 ――唯の無知だったり


 ――唯の欲だったり



 様々な原因が混在するが選択時にその先に待ち受けるモノに気付かない者は大抵失敗する。


 だがその選択をするのは自分自身であって、その結果を受け入れなければいけないのも自分自身だ。


 誰も肩代わりはできない。


 そもそも岐路に立たされている事にすら気が付けないのが愚か者であり、彼らは何処までも思い通りに物事が真っ直ぐ進むのだという勘違いをしたままその選択をするのだ――


 失うものが何か分からないままで。




 ×××



 「ねえ、ルパート様?」


「うん? 何かなルミア嬢?」



 人気のケーキ店で十分に甘味を味わい、コーヒーと紅茶で口直しをした2人は春の日差しを受けながら白い花びらが時折落ちてくる歩道をまるで恋人同士のように寄り添って歩く。


 平民なら『素敵なカップルね』で終わるだろうが、決してそうではないこの2人に眉を顰めながら付いていくのは彼らの護衛である。


 高位貴族の子息子女なんだから護衛がいるのが当たり前だ。


 ルパートは貴族派全体の期待を背負い、国王派閥のご令嬢しかも元王弟の娘を娶るという大役を果たす使命を背負う青年――本人にその自覚があるかどうかは別だが――である。


 お相手は同派閥の筆頭公爵家のご令嬢なのだから当然その事は知っていて然るべきであり、今更注意する程では無いはずだ。

 そう信じてはいるものの両家の護衛達は困惑しながら邪魔をしない程度の距離を取りながらそっと付いていく。



「護衛付きのデートなどつまらないわ。何処か2人きりで楽しめる場所は無いのかしら?」



 自慢のプラチナブロンドを指に絡めながら、斜め下から彼を上目遣いに見つめるルミアに、そうだねと微笑むルパート。


 彼も流石に護衛を撒くことは出来ないし、それは得策ではないと分かっている。ただ尊ぶべき女性の頼みとあらば何とかその期待に応えるのがルパートの努めである。



「じゃあ、公園内の湖でボート遊びはどうですか? アレなら護衛達も文句は無いでしょう。暴漢に襲われるような心配もありませんし」



 ――ここでルパートは選択を誤ったのである。

 



 ×××




 あれだけ立ってはいけないという彼の忠告を無視して、『ルパートさまぁ怖いの』とかいう三文芝居で彼に抱き付いて、見事湖に2人でダイブした結果――



 服を乾かすという名目で、すぐ近場のホテルでいい雰囲気に流されてあっという間に既成事実を作られてしまった侯爵令息。



 つまりはご令嬢のほうが1枚上手だったということだ。



 流石、恋愛小説愛好家のご令嬢である。


 そういう方面には知恵が振り切れていたようだ・・・



 あと、読者諸氏は知りたくも無いかもしれないが一応ルパート・セイブリアンの名誉の為に一つだけ。



 今まで色々と女性との浮名を流していた彼だが、肉体関係にまで進んだ事は無かったのだ。


 そう。


 貞操を奪われたのは、()のほうであったことを記しておく。

















 ねぇ、それって男としてどうなんだろ・・・?




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