第1話 時
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
現在、俺達は賭けをしている。
どの球が出るかによって賞金が決まる運の勝負だ。
『26番!!』
「よっしゃー!!」
「ちぇっ、またお前が当たったのかよ・・・。」
「つまんねぇ〜。」
当たった山本輝義は興奮しながら賞金を受け取りに行った。
一方、俺{緒方健一}と、小野明はまたしても
ギャンブルに負けた。これで3連敗。
一万円も掛けていたのにこれじゃあ大損だ。
しばらくすると賞金3万5千円を手に入れた山本が戻ってきた。
「お前ら本当に運無いな!!」
「「うるせぇ!!」」
・・・とは言ったものの、内心は悔しかった。
俺は4月で高校2年生になる。
俺達3人は、小・中・高と同じ高校。
3人とも成績ギリギリで高校2年生に進学出来た。
俺達は短い春休み中、ギャンブルに、はまっている。
すると、アナウンスが聞こえる。
『皆さん今日はSPなギャンブルがあります!!』
その瞬間、客からは大きな歓声が聞こえた。
耳をふさいでも、はっきり聞こえるキーキー声で叫ぶ客達。
『では、地下1階へ来てください!!』
「「「「「「「「「「「「イエーイ!!」」」」」」」」」」」」
続々と、客が地下に入っていく。
俺達、3人も地下へ向かう。
その時、緒方が入るのが最後だった。
すると、店のシャッターが閉まっている・・・。
どういうことだ・・・?
俺が地下に入ると店員が地下への入口を閉めた。
そして、地下へ降りていった。
この時、緒方達はまだ知らなかった。
これが地獄の始まりだったことを・・・。