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吾輩はインコである  作者: まぁちゃん
オカアサン達とレイコ
8/10

吾輩はインコである『美食編 その2』



 どうやら、この世にはレイコが知らないおいしい食べ物がまだゴロゴロとあるらしい。


先日オカメが持ってきた「ミカン」もそのひとつであった。


レイコははじめ、それを新しいおもちゃだと思った。

陽気な色をしていてまんまるで、今にも転がっていきそうな外見をしていたからである。


なので、オカメがテーブルにそれを置いた瞬間、レイコはひとっ飛びしてテッペンに飛び乗った。

どうだ!と思ったもつかの間、ペシと跳ね除けられた。


レイコがムッとしていると、オカメはミカンのヘタを下にして置き直し、親指の爪で皮をグッとおした。

プシッとミカンの汁が飛ぶ。

水遊びは好きだが、なんとなくこの汁は浴びない方が良い気がした。


爪でつけた跡を手がかりに、オカメはミカンの皮を次々と剥いてゆく。

剥いてゆくと皮と同じ色をした果肉があらわれた。


オカメはそのひと房をもいで、自分の口に放り込んでもっちゃもっちゃとやり始める。

(レイコを呼んでおいて自分が先に食べるのである。性悪め。)


負けじとレイコもミカンに接近すると、果肉の周りに白いスジがたくさん残っているのが見えた。

スジはかろうじてくっ付いているという体で、ひらひら頼りなくそよいでいる。


レイコはまずこいつで遊ぶことにした。スジの先を咥えてピリピリピリ。


これは盛り上がる!


剥いても剥いても剥き足りない。このスジを無数に集めて、立派な巣をこしらえたい。

レイコには既に立派なお屋敷があるし、巣を作ったことなどないのだが、なぜか全身が巣作りしたいと叫び出す。


レイコがテーブルの上をスジの材木だらけにしていると、オカメがミカンのひと房を割ってレイコに差し出した。

ようやく給餌の心が芽生えたとみえる。


房を割ると、キラキラの粒かびっしり生えていた。

そのうちの1粒にかじりつく。


プチッといい歯ごたえ(くちばしごたえ)がして、あまい汁がレイコの舌の上を踊った。


小松菜の苦味もいいが、ミカンのあまみもたまらぬ。

レイコの美食図鑑に書き記しておこう。無論、玩具図鑑にも記さねばなるまい。

レイコちゃん、今度はミカンの虜になったようです。

インコの前にミカンを差し出したら、延々とスジを剥いてくれますよね。健気な光景です。

次回、なんとレイコちゃんのお家に人間以外の訪問者がやってきます!

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