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魔力紙作製

目の前に個包装用のビニール袋に入っている、シャーペンサイズの小さめなナイフ??が用意された。



と言うより、まんま見た目はシャーペン。

持ち手の上部が外れるようになっているところもシャーペン。

ただ、唯一違うところはノックするところが無くて、ペン先がメスの様になっている所だった。



「シャーペンみたいでしょ??大分技術が発達してお手頃サイズになったのよ。シャーペンで言う、シャー芯入れる所開けてみて。」


母に言われて個包装を開封して上部を開けてみた。


すると中が空洞で単なる筒のように様になっていた。



「その中に髪の毛を1本入れてみて。使用者登録ができるのよ。」



そう言われて髪の毛を1本抜いて、筒の中に入れる。






するとーーーーー。





ナイフ全体が光だし、銀色だった本体が深紅色に染まり、蔦が這ったような金色の装飾が現れた。



「お母さん、これって…??」


「これで使用者登録終了よ。その人の魔力にあわせて色や形が変わっていくの。母さんのはこれよ。」



と言いながらお母さんのナイフを見せてくれた。



深海の様なブルーに金色の星が散りばめられた様な色をしていて、ナイフの部分もブルーだった。



「使っているうちに持ち手だけじゃなくてナイフにも色が移って行くの。愛美のナイフも使っているうちに、今は銀色のナイフの部分もじきに深紅か金色に染まるはずよ♪」



楽しそうな笑顔を浮かべて説明をしてくれた。

その説明を聞いて気付いた事が有った。


「そう言えば今少し記憶掠めたんだけど、能力発露させた子みんな胸ポケットに同じ様なペン刺さってた気がする!」


「これは魔術を使う媒体にもなるから、これを持っているってことは魔術師ですよ~って目印にもなるのよ。」



「そうなんだ…。だから皆これ見よがしに見せびらかしてたんだね…。」



少し記憶を手繰り寄せると、イジメていた子は皆同じ様なペンを見せびらかしてた事に気づいた。



「そうね……。でも!!愛美もこれで魔術師の仲間入りよ!早速やってみましょうか♪」

「うん!」


「まずはこの大元の用紙を点線に沿ってナイフで切ってみて。最初は定規を当てると簡単よ♪」



そう言われてA4サイズに近い紙を定規を当てて点線に沿って切ってみる。

すると少し何かが体から抜けてナイフの方に流れて行った。

…。この抜け出たものが魔力、なのかな??



「少し魔力が流れて行ったのを感じれたかな??次はナイフを魔力の結晶が出てくるまで指の先に当てみて。痛く無いから安心して。」



そう言われてナイフの切先を指先に持っていくけれど……。恐怖心が勝って躊躇してしまう。



「初めは恐くて初手はちょっと時間掛かるものだから、愛美のペースでゆっくり挑戦してみてね。」

「大丈夫!ーーーーー!っ!エイヤッ!!」



掛け声と共に気合いを入れて指先にグッと強く当て、少しスライドさせて魔力の結晶が滲み出るのを待った。

すると一秒も経たない内に金色の液体が体の中から滲み出てきた。

痛みも、切った感覚も全く無くて不思議な感覚だった。



「金色!!凄い珍しい色ね!!それを切った用紙に垂らして、用紙が光りだしたらその光に触れて。そうしたら完成よ!!」



そう言われて次々滲み出てくる液体を用紙に垂らす。

ーー次の瞬間、眩い光が用紙から迸り始めた。

その光に手を触れると一層強く光だし、あっという間に用紙に吸い込まれて行ったーーー。




「おめでとう!人生初の魔力紙の完成ね!!」

「有り難う。なんかお母さんのより光が強過ぎた気がしたんだけど…。どうして??」

「魔力を今の今までずっと体の中に貯めていたからだと思うわ。」


母の言葉を受け、作った魔力紙をまじまじと見つめる。


真っ白だった四角い紙には金色のラメのような色が散りばめられ、真ん中には深紅色で魔方陣が描かれていた。



「今は愛美の能力の《物を溶かす》性能しかない物だけど、これから勉強して研究していけば、どんどん関連性持った違う性能の物を作れるようになるはずよ♪」

「そうなんだ!そう言えばお母さんがさっき作ってたのはどんな性能持っているの??」



好奇心が疼き出して色々聞いてみたくなってしまった。



「これは、愛美が運ばれた病院から依頼された物よ。手術した後に縫合をする変わりにこれを発動させると、手術痕を残さずに閉じる事ができるのよ♪」


「そんな事も出きるんだ…。」


「そうよ。甦りの力だから、生きている者だったら、本来有るものは甦らすことが可能よ。失明とかは治せないけれど、怪我で眼球がダメになった時とかは元の姿に戻すこともできるし、傷口を無かったことにすることもできるのよ!まだまだ術を発展させていって出きることを増やすつもりよ♪」



そう野心溢れる笑顔に気圧されつつ出来上がった魔力紙を再び見つめる。




「私も色々できるようになるかな……??」


少し不安になり呟くと


「大丈夫よ!!能力発露させたんだからこれから明るい未来が待っているわ!」


と母が今度は自信付ける様な笑顔で言った。


その笑顔に元気付けられ、これからの事に思いを馳せる。




物を溶かす…って事は凝固している物を融解させるって事だから…。

………………う~ん…。

分解と融解の違い…って何だっけ……??


あ~……。

あっ!!!

応用は思い付かないけど……。

物じゃなくても良いよね!?



「魔術を溶かすって出来ないかな…??」


「魔術を??聞いた事無いけど………それが出来たら攻撃性の有る魔術から身を守る事が出来そうね!!学校で思いっきり魔術の勉強したらきっと出来るようになるわ!!母さんも父さんも思いっきり協力するわ!!」


私の浅い考えにも同意してくれて、尚且つ協力してくれるなんて現世の私は凄い恵まれてるなぁと実感した。



ーーーー。あ!!!!学校と言う言葉で思い出した!!



「お母さん、私、決めた。編入する高校は神鏡魔術·科学学館に行くよ!」



そう伝えると母は酷く驚いた顔をした。




凄く長くなってしまいました………。

書きたい事を詰め込み過ぎた気がしますがなんとかまとまりました!

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