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第二話……茶臼山VS妻女山

「越軍(上杉方の軍のこと)は妻女山に陣を敷いておりまする!」


「うむ! 海津城は無事か?」

「はっ! ご無事の模様!」


 信玄は間者(諜報員のこと)の知らせに頷く。

 川中島の武田方前衛基地である海津城には、信玄の寵童でもある高坂昌信が籠城していた。


 海津城は一つの城ではなく、川中島周辺の山岳地帯に多数の砦を築いた城塞群だった。

 これを落とすのには骨が折れるとみた謙信は、要所である妻女山に陣を敷いていた。


 妻女山に陣を敷かれると、海津城と信玄の本拠である甲斐との連絡が取りにくい地勢となる。

 態と海津城を攻めなかった謙信は流石に戦上手であった。




 ……それを見た信玄。


「ぬう、一旦茶臼山に陣を敷くぞ!」

「はっ!」


 信玄お抱えの伝令衆である、百足衆が馬に乗り各隊へ散っていく。

 百足衆とは情報伝達の専門組織で、百足をあしらった旗指物を刺していた。


 武田勢は百足衆の指示通り、陣形と威容を保ったまま茶臼山に向かう。

 先頭の信玄の旗本部隊(親衛隊のこと)には、孫子の旗と諏訪法性の旗が高らかに掲げられていた。


 この茶臼山への布陣は、越軍の退路と補給線を窺うものであり、越軍は山頂にて一斉にざわめきだつ。

 信玄は海津城に入るはずだと思っていたからだった。




 ……対峙すること6日。


 越軍の動揺を誘ってみた信玄だが、謙信に動きはない。


 かといって、妻女山山頂に立て籠もる越軍を攻めるのも愚策だった。

 兵法的に高い山の上の方が有利だったのである。



 「一旦海津城にはいるしかありませぬな!」


 歴戦の猛将、馬場信春が信玄に上申する。

 甲軍(武田方のこと)もここまで強行軍を続けてきたのだ。


 屋根や設備がある海津城で兵を休ませた方が得策だった。



「うむ! 全軍に知らせよ! 我が軍は海津城に入る!」

「「「はっ!」」」


 諸将はこうべをたれた後。

 歴戦の勇士たちを引率し、海津城へ向かった。


 この動きにしたいしても、越軍は一切動きを見せなかった。



 信玄は悠々と海津城に入ることに成功する。



 ……しかし、この後、更に緊張と停滞感が増していくのであった。





挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] ふおおお、ワクワクするううう!!!
[一言] 智将、猛将ここに対峙せし! 私は謙信派ですー。
[一言] 勘助の出番くるかな。
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