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第二十話 第三騎士討伐戦 その1 討伐戦開始

「さて、ここからはBパーティが先行します。念の為私と沙羅が盾役として随行します。その後からCパーティは続いて下さい」


 いよいよ討伐戦だ。

 今回は居残り組を除き、パーティ三つを選定した。

 このうちAパーティは洞窟外の敵の殲滅が主な役割。

 人員は佐和さん達八名。


 洞窟及び第三騎士攻略はBパーティとCパーティの任務だ。

 Bパーティが途中まで先行して、Bパーティの魔力がある程度減ったら本命のCパーティが出るという作戦になっている。

 ちなみにBパーティは生活班四人と花梨先輩と沙羅先輩の六名編成。

 Cパーティはまあ、D班の面子そのまま。

 小木津先輩以下四名が加わった十一名体制の方だ。

 

「早速敵が集中しているからもう攻撃していいよね、凍結乾燥(フリーズドライ)!」

 前方から生活班の清花先輩の声がする。

 最初の魔物溜まりに巣くっていた十匹以上の中鬼の生体反応が消えた。


 Bパーティの後十メートル位に私達Cパーティが続く。

「それにしても調理魔法って凶悪な攻撃魔法になるんだね」

 ポニテが周りを見ながらそんな事を言う。

 何せしなびて乾いた中鬼が十数体立ったままの状態で残されていた。

 見た目にもなかなかえぐい。


「お湯をかければ元に戻るかな」

「でもまあ、生き返るのは無理だろ。それに更にグロくなると思うぞ」

「そうだね」

 そんな事を言いながら歩く。


 前でまた魔法詠唱が聞こえた。

「必殺電子レンジ魔法、マイクロ波通り過ぎてガンマ線掃射!」

 チーン、なんて効果音までついている。

 おいおいおい。

「何かあのまま最終ラウンド終わりそうだな」

「そだね」

 岩に影としてのみ姿を残した元中鬼の痕跡があった。

 何かもう酷すぎる。


 更に前から色々聞こえてくる。

「わっ、今度はさらにでかいのが続いてきたよ」

「今度は私の魔法で、キャベツ千切り空間魔法版!」

 何か魔物の悲鳴が一瞬聞こえたような。


「わっこの魔法良くない! 周りが血まみれだ」

「鬼も血の色は赤いんだね」

「美土里は平気だね、血が飛び散っても」

「魚や獣を解体するのに血はつきものだからね」


 生活班ってこんなに凶暴だったのだろうか。

 何か和気藹々という感じで魔物を惨殺しまくっている。

「あ、また大きいのが出たよ」

「今度は私で、空間断裂・脊椎動物解体用!」

「あ、頭が残った」

「悪さすると不味いから処理するね、兜焼き!」

 タンパク質が焦げる嫌な臭い。


「匂いを消しておくね。消臭スプレー(ファブリーズ)!」

 匂いが消えた。


「何かもう、生活班だけでいいんじゃないか」

 壁までそんな事を言い始めるようなそんな状態。

「まあ魔力の関係もあるし、最後まで一応ついていきましょう」

「でも攻撃魔法の必殺度、何か生活班の方が高い気がしますね」

「何せ向こうは食材相手の魔法ですしね。遠慮が無いというか」

 前方でまたチーンという電子レンジの効果音のような音がした。

 大鬼の反応がごそっと消える。


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