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第十三話 合宿初日 その4 たのしい魚捕り その2

「頼むから寝せてくれ」

「魚が捕れない」

「やり方は昼食の時に見せただろ」

「全員で挑戦してみたんだ。でも雷魔法の威力が足りなくて魚が浮かんでこない」


 そんな訳で午後のお昼寝から仕方無く起きる。

 今度はさっきの面子に壁と英美里さんまで加わっている。

 壁はスタイルはいいけれど胸が壁なのが残念。

 だが勝田さんは……あっアウト!


「|障害除去『デパス』! |障害除去『デパス』!」

 ツインテの障害除去二発で何とか動けるようになった。

「相変わらず難儀な体質だな」

 佐和さんにそんな事を言われる。

 ちなみに佐和さんは完全お子様体型なので割に平気だ。


「なら明日の朝食分も含めて頑張るか。佐和さん、重くてごつい槍があったら頼む。槍の尻尾に長い長い紐をつけて。紐は最低五十メートル以上。あとはさっきと同じトングとバケツ人数分」

「了解!」

 とととととと足取りも軽く消えて行く。

「槍って、昼の時は使わなかったよね」

「弱めの雷魔法でも効く方法につかうんだ。今回はついでにもうちょい深めも狙おうと思ってさ」

 そんな訳で仕方無く外へ。


 太陽が眩しい黄色だ。

 何処かで殺人事件が起きても不思議出ないくらいに。

 装備テントへ行った佐和さんがなかなか出てこない。

 妙に遅いな。

 カップラーメンが出来る位の時間が経過して、やっと佐和さんが荷物持ってやってくる。


「用意は出来たぞ。紐だけはちょうどいいのが無かったから鉄ワイヤー百メートルだがいいか」

 おいちょっと待て。

「まさかと思うがワイヤー、作ったのか」

「当然だ。その分量産型の模擬刀五本とこっそり持ち込んだ鉄インゴットがなくなった」

「相変わらず無茶苦茶な奴だ」

「お前ほどじゃない」

 まあそんな感じで、それぞれバケツとトングを配る。


「それじゃ移動するぞ」

 朝と違う場所だがやはり急に深くなる岩場まで魔法移動した。

「まずさっきと同じように海水から離れてくれ。そして佐和さん、この岩にワイヤーの反対側端を何とかしてくっつけてくれ」

「ほれ」

 何をどうやったか不明だがワイヤー端が岩に埋め込まれて固定された。

「では逃げるぞ」

 とととととと佐和さんが陸地へ逃げる。


「それじゃ行くぞ」

 私は重い槍を右手で持ち、投擲姿勢を取る。

「それにしてもこの槍異常に重いな。何なんだ」

「重いのと言われたからな。酸化ケイ素で作り直したぞ」

「つまり槍の形をした岩か、これは」

「まあそうだ」

 道理で論外に重い訳だ。筋力だけでこんなの持てる訳が無い。

 そんな訳で魔力を目一杯使って、重い重い槍をぶん投げる。


 重すぎて魔力を使っても三十メートルちょいしか飛ばなかった。

 でもまあいい。

電撃魔法(オムロン)! 電撃魔法(オムロン)! 電撃魔法(オムロン)!』

 今回は槍とワイヤーを狙って電撃魔法を連射する。


「そうか。槍に集中させれば若干弱い雷魔法でも海中に届く」

 壁が私のもくろみに気づいたようだ。

「本当は槍の金属部分に雷魔法を集中させるつもりだったけれどな。まさか石槍に鉄ワイヤーなんて組み合わせになるとは思わなかった」

「それは遙の説明不足だな」

「まあ認める」


 でも結果的にワイヤーに電気が流れることになって。海中の深いところまで広範囲に電撃が届く。

 おかげで今回はさっき以上に色々な魚が浮いてきた。

水流誘導ビューティトワレ!」

 海面を制御して浮いた魚を寄せる。


「よし捕るぞ!」

 全員で海寸前まで行って捕獲態勢。

「昼より大きいのが多いね」

「美味しそうなの優先で捕るぞ」

 黒鯛の他メバルとかスズキとか結構いい型が混じっている。

 勿論イワシとか小魚もいい感じで多い。


「網が欲しいよね。どうしても捕れない小魚が勿体ない」

「今回の合宿は網とか釣り竿禁止だものな」

「何だあの変な魚」

「マナガツオですね」

「おお、太刀魚までいるぞ!」

 お祭り状態だ。


 ただ今回はちょっと多めに捕ろうと思う。

 なにせ昼食の時、飢えた女子に追い出されて私はほとんど食べられなかったのだ。

 水着の女子の集団なんてくれば当然私は逃げるしさ。

 余る位とっておけば私が食べる分も残るだろう。

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