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第九話 昔の物語 その3 そして今に至る話

「そして今に至る、そういう訳です。きっとそれぞれ思うところはあると思います。遙さんの他にも今の話の中に出てきた方もいるでしょう。前世の自分が関わった事案の成り行きを今の話で知った方もいるでしょう。

 まだアトラ世界には第四の魔物も大魔王も、そしてそれらの先駆体もまだ現れていません。それは私の魔法ではっきりしています」


 そうか、まだフィルメディは無事なのか。

 ふっと何か力が湧くのを感じる。

 しかし。

「そうなると花梨先輩って、遙の妹になるんだね?」

 突然そんな台詞を吐いたのはポニテだ。

「何だ、何でそうなるんだ」

「だって話からすると遙って黒騎士の転生体でしょ。黒騎士ってサラステクスの幻の第一皇子じゃない。だったら妹だよね」


 おいポニテ!

 確かにシャルホブ一級魔法技師、元シャルホブ巡察騎士、俗称黒騎士はサラステクス王の息子だ。

 まだ王が若い頃身分の低い女と遊んだ折に出来てしまった不肖にしてなかった事にされた第一皇子。

 それがかつての私だ。

 私は王家の血が入っている事で王家に引き取られ、『サラスの魔法瓶』と呼ばれる秘術の試験台にされた後、僧院預かりになった。その後僧院から逃走、色々あった後隣国フィルメディにて魔道学院に入学したのだった。

 しかしそんな国家の極秘事項を何故知っているのだ!


「何でそんな話になるのだ」

「だって黒騎士の魔法紋ってサラステクス王家の魔法紋とそっくりじゃない。魔法使いなら誰が見ても関係者だとわかると思うよ?」

 ポニテ、そうだったのか!


 ツインテがうんうん頷きながら続ける。

「国家巡察騎士とフィルメディが認めたおかげで、サラステクスも手出し出来なくなったんですよね」

 壁までうんうんと頷いている。

「有名な噂だぞ。それこそフィルメディでは庶民まで知っているんじゃないか?」

 それって、知らぬは本人ばかりなりという奴か。


「そういう訳でこれからよろしくね、おにいちゃん!」

 花梨先輩(ラスボス)が口調まで変えてそんな恐ろしい事を言う。

 ちょっと待った!

 私はこんなに恐ろしい妹なんかいらない!

「だいたい今は身体も違います。それに話を聞いたところでは花梨先輩の方が肉体年齢で十年以上年上じゃないですか! そんな妹はいません!」

「生まれ変わって妹を助けに来てくれたのね!」

「口調を変えてまでらしくない事を言わないで下さい!」

 気づくと私の右腕に鳥肌が立っている。


「遙をからかうのはこれくらいにしてやれ」

 沙羅先輩が見かねてか止めてくれた。

 ほっと一息ついでに私は疑問を口にしてみる。

「それにしても絵麻先輩も杏奈先輩や紅莉栖先輩もあの世界出身だったのか」

「ここにいる全員がアトラ世界、私と沙羅を除くとフィルメディ王国出身の転生体です。しかもそれぞれフィルメディで言うところの魔界四騎士と戦った前世を持っています」 

 なんと!

 でもそう言われると確かに思い当たる所がないわけでもない。


「正直に自己紹介シートを書いていないからね、みんな」

 という事は私だけ色々書き加えられたのか!

 これは間違いなく不当差別だ! 謝罪と賠償を要求する!

4月27日(土)GW開始から毎日更新になります。そしてGW最終日、5月6日に完結する予定です。

宜しくお願い致します。


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