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第五話 先輩はお見通し その2 先輩はお見通し

 約三十分後、一階の食堂に全員が集合する。

 なおテーブルはほぼ部屋別だ。

 ついでに言うと一人部屋だった筈の私の席は隣の部屋と同じテーブル。

 つまり現状通りという悲しさである。


「さてこの合宿では魔力の強化、及び魔法を使った戦闘力の強化を課題としています。具体的には何人かの班にわかれてそれぞれ練習なり模擬戦闘なりをする形になります。ただ食事当番になった班は準備を宜しくお願い致します。

 それでは班と班員の自己紹介シートをおまとめした資料をお配り致します」

 A5サイズの冊子が配られる。

 班ごとに面子と練習場所、合宿での目標が書いてあり、その後に班員の自己紹介シートが続いているという感じだ。

 班は四班構成で私はD班だった。

 面子は最悪、よりにもよってという感じだ。

 具体的に言うと、壁、ポニテ、ツインテ、極悪非道女、勝田さん、赤塚さん。

 つまりはこのテーブルに壁を追加した状態だ。


「大体は近い部屋で一緒の班になっていると思います。食事当番のA班はこの後昼食作り、それ以外の班はそれぞれの部屋で自己紹介と今後の訓練について話し合って下さい」

 そんな訳で再び移動となる。

 例によって混んでいる廊下や階段で触れあって仕舞うのを避ける為、私は短距離移動魔法を使用。

 部屋の隅で窓の近くを陣取った。


 皆さんが戻るまでにさっき配られた冊子を開いてみる。

 D班の目標は実戦対応力の向上とあった。

 具体的には『他の班と異なり既にある程度の実戦的な能力は身についていることから、更に得意分野を伸ばすとともに訓練を通して更に魔法戦闘力の強化を図る』。

 壁とポニテ、ツインテは私が最初に参加した討伐でも戦力として戦っていた。

 赤塚さんの風魔法も既に遠中距離戦では充分以上の戦力になるはずだ。

 極悪非道女と勝田さんは知らないけれど。

 でもあれくらいの魔物ではそんなに焦って戦力向上をする必要は無い。

 それに日本の普通の社会では魔法戦闘力なんて全く必要無いだろう。

 気負いすぎなのか他に理由があるのか。ラスボス辺りに後程聞いてみた方がいいかもしれない。


 さて、皆さんの自己紹介シートでも見てみるかと思ってページをめくる。

 最初は私の自己紹介シートだった。

 だが私が書いた状態とは大分異なっている。

 具体的に言うとわざとらしい別字体で色々付け加えてあるのだ。

 使用魔法に私は『風魔法、その他補助魔法少々』と記載した。

 しかしそこに『ほぼ全属性の攻撃魔法、身体強化魔法、及び中級の次元魔法、上級の治療魔法、魔法陣を使用する儀典魔術』と追加記載されている。

 更に『転生前は魔法槍の使い手でもあった』等まで記載してある。


 確かにどれも事実ではある。

 魔法研究者になる前の私は巡察騎士だったから。

 でもそんな事は誰にも話していないはずだ。何故こうなった!

 ガヤガヤ気配が近づいて来た。

 D班の他の皆様がご到着らしい。

 取り敢えず私は壁際で防護態勢を取る。

 ポニテに背後を取られないようにする対策だ。


「ただいま、相変わらず早いな」

『移動魔法を使ったからな』

 まだ固化していないが面倒なので魔法音声で対応。

 ぞろぞろと部屋の住民プラス壁がやってくる。

「そう言えば遙の自己紹介シート、大分書き残しがありました。ですので私がわかる範囲で書き直させていただきました」

 ツインテがいきなり衝撃発言。

 お前か、これを書き直した犯人は!

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