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部活でハブられるのは嫌なので自己紹介から始めます

ついつい魔が差して2話も書いてしまいました。

「起立、注目、礼」


授業が終わり俺は高校になって初めての部活に胸を弾ませていた。


「特別棟の2階に着いたのはいいけど…」


俺は昨日、姉さんに特別棟の2階に来いと言われた、がどこの教室とは言われていない、美術部ではないとわかっているので美術室は除くとしても2階だけで5部屋ほどある、1つ1つ覗くのは面倒だなと考えていた時だったか。


「来たか水樹、さあ、入れ」


突然目の前の扉が開き、姉さんが出てきた。


「し、失礼、します」


緊張でつい片言に何てしまった。


「みんな、こいつは昨日話した綾川 水樹、私の弟で新入部員だ、仲良くしてやってくれ」


「よ、よろしく、おね、がい、しま…」


挨拶をしようとしたらある違和感に気づく、教室の中にいたのは俺と千里を含め6人各々が、宿題をやっていたり、談笑していたり、読書していたりと様々だったが…


「あれ?男は?」


ぱっと見男が1人もいない、これはもしやハーレムというやつではないだろうか、でもなんか明日部屋の隅で体育座りで本を読み続ける俺が頭に浮かび気持ちがだんだんブルーになっていると。


「あの、俺伊場 隼人、同じクラスだよな?よろしく」


「え?あ、うん、よ、よろしく」


突然後ろから声がして振り向くと爽やかな笑顔が印象的なイケメンがいた、彼はクラスが同じの上位カーストに君臨していて、話したことはないがもちろん知っている、てっきり運動部に所属しているのかと思ったがまさかここで会うとは思わなかった。


「部員はお前を含め6人、ようこそ、我らが休憩部へ」


「え?は?休憩部?」


姉さんの発言に俺の頭の上に大量の疑問符が浮かび上がった。


「そう休憩部はその名のとうり、人生に疲れてしまった者へ休憩を与えるための部活だよ」


んー、ちょっと何言ってるかわかんない、人生に疲れてしまった者へ休憩を与えるって、この男は絶対疲れてない、むしろ楽しんでいる方だと思う。


そう言ってジト目で隼人を見つめると、何かを察したのかあははと笑って俺の方によってきた。


「水樹くん、ちょっといいかな」


そう言って隼人は俺に肩を組んで教室の端に移動させられると小声で囁いてきた。


「俺、実は水樹くんのお姉さんのこと、好きなんだ、あ、このことは黙っててほしい、君だから言えることなんだ、できれば水樹くんとはいい関係を築きたいと思っている」


「は、はあ」


姉さんは結構美人な方だと思っている、実の姉だからなんとも思わないが整った顔立ちと、それを引き立たせる芸術的なモデル体型、普段はかなりきつく冷たい言動だがよくドジを踏みその時に漏れるかわいい声と半泣きの顔がギャップとなり相当な破壊力を持っている、おそらく隼人もその美貌に落とされたのだろう。


「まあ、その、頑張れよ、応援してる」


そう言ってやると隼人はありがとうと言って硬く俺と握手を交わした、もっとも力を込めているのは隼人の方だけだったが、おそらく姉さんへの恋は実らないだろう…


「隼人、くん」


「ああ、俺のことは隼人でいい」


「あ、どうも、じゃあ隼人、1つ聞きたいんだが、ここって何するところなの?」


「んー、自由だよ、勉強でも、読書でも、スマホいじってもいいし、ギャーギャー騒いでもよし、あとは千里ちゃんの気分次第で合宿とかがあるよ」


人の姉を馴れ馴れしく呼び捨てにすんな


「あー、だからたまに2、3日いなくなるのか」


「え?家族に黙ってやってたの」


「あ、うんそうだな、姉さん、学校のこと家で全く話さないから」


「何も言わず家に帰ってこないって心配じゃないの?」


「あ、いや、3日ほど帰ってこないから、とか言って家を出てくから、俺はてっきり家出なのかと思ってたけど…」


そんなことを話していると1人の女の人が近づいてきた。


「みずきく〜ん、ちょっといいですか〜」


「え?俺すか?」


「そうです〜、ごめんね〜いばく〜ん、ちょっとみずきくんおかりするね〜」


「いいですよ、部長」


俺はお前のものじゃないぞ隼人、それよりもこの人が部長か〜、なんか優しそうな人だな。


「私は、3年の小岩崎 早苗です。休憩部の顧問をしてます、よろしくね〜」


「2年の綾川です、よろしくおねがいします」


軽く会釈をするとなんなかしこまらなくて大丈夫だよとえがおを見せた。


ゆったりとした口調の喋り方で、常にニコニコしていて、背中まで伸びたウェーブのかかった髪、優しそうな印象がある顔、そして異常に膨れた胸、胸のせいかはわからないが全ての動きが艶めかしく目のやり場に困ってしまう。


「あ、あの〜小岩崎先輩はなんでこの部に?」


優しそうな小岩崎先輩がどう見ても人生に疲れているようには見えなかった。


「ん〜、綾川先生に〜、私の仕事を手伝ってほしいと頼まれたんです〜」


それを聞いてジト目で姉さんを見ると目をそらされてしまった。


「さあ、みずきくん、新入部員はみなさんに挨拶しないとダメですよ〜」


「わ、わかりました」


「私も見えいてあげますからね〜」


「あ、それは結構です」


あんたは我が子を見守る母親か、小岩崎先輩の申し出を断るとえ〜と嘆いていたが無視をして近くにいた人から声をかけることにした。


どこかで見たことがある、多分2年生だろう、大人しめな印象で、椅子に座り、机に両肘をついて読書をしている女子に話しかけてみることにした。


「え、と、、どう、も」


「あ、どうも」


1年まともに話さなかった後遺症がこんなところに出てしまった。そして、読書中の少女は本から一切目を離さず返答してきた。


「ちょっと待ってください〜い」


小岩崎先輩が俺と読書少女の間に割り込んできた。


「みずきくん、そんなんじゃ友達できませんよ〜」


なんのためらいもない小岩崎先輩の言葉は俺の心に大ダメージを与えたのは言うまでもない。


「ほらほら〜、さゆきちゃんも一回本をやめてください〜」


ちょっと不服そうだったが読書少女は本を閉じ、ないで逆さまにしてページが閉じないように机の上に置いた。


「はい、それではみずきくん、自己紹介をお願いしま〜す」


「え?あ、はい、あやか…」


「だめです〜、やるきあるんですか〜?もっとも気持ちを込めてください〜」


一瞬しつこいと思ったが俺の手を握って頑張ってくださいと言って不覚にもドキッとしてしまった。


「綾川 水樹、2年生です、綾川先生の弟です」


「はい、ではそのまま趣味行ってみよ〜」


「趣味は読書です、ジャンルはいろんなのを読みます」


「はい、よくできました〜、ではさやかさんお願いしま〜す」


「冬実 紗雪、2年生、趣味は読書、好きなジャンルは日本文学、よろしく」


髪型は肩まで伸びたボブに雪のやうな白い肌、近くで見て気がついたけどめちゃくちゃ美人だった。姉さんで慣れていなかったら固まるとこだった。


「ああ、紗雪さん、よろしく」


「呼び捨てで、構わない」


「あ、そう、よろしく、さ、紗雪」


やっぱり女の人を呼び捨てにするって恥ずかしいな、なぜ陽キャどもはあんなに簡単に呼び捨てにできるんだろうか。


「うん、よろしく」


そう言って紗雪はまた読書に戻ってしまった、いつのまにか小岩崎先輩はいなくなっておりあたりを見回すと姉さんと一緒に何か話している様子だった。


すると突然、背中に抱きつかれ思わず仰け反ってしまった。


「みずきっち〜!」


「うおっ!」


俺はたまごっちじゃないとツッコミを入れようと思ったが背中に感じる柔らかい感触がなんともいえず断念した。


「千枝もこの部活入ってたんだな」


「うん!みずきっちも入る予定だから入らないか?って千里さんに誘われたんだ〜」


橘 千枝、俺の1つ下で家が隣、小さい頃から面倒を見ていて俺にとっては妹のような存在だ。小さい頃から大きくなったらみずきっちのお嫁さんになると公言していたが、その時はどうせ大きくなったら言わなくなると思っていたのだが…


「ふふ〜ん、みずきっち愛してる〜」


今でもこんな感じである、どうしよう、高校卒業しても彼女いなかったら本当に千枝と結婚しようかな、いかんいかん、理性を取り戻せ俺、


千枝はかなりの優良物件だと思っている。髪は背中まで伸びたストレート、ニキビが1つもない綺麗な肌、おまけにこんなにも俺に尽くしてくれている、改めて考えると最優良物件だということに気がついてしまった、だめだだめだ、戻れ俺の理性。


「ああ、俺も愛してるよ、千枝」


完成な棒読みだったのにキャーと叫んで教室を出て行ってしまった。


「他は…」


「あ、あら、き、奇遇じゃない」


最後の1人も知り合いだった、荻野 由美、俺と同い年で中学が同じだった、背中ほどまで伸びた長い髪、すらっと細い体は本当に食べてるのかと心配になるくらいに細かった、中学の時、由美はカーストの上位にいて誰にでも話しかける面倒見のいい人で、もちろん俺ともよく話していたが高校になった途端交流が途絶えてしまっていた、てかこいつ檜扇に来てたんだな。


「久しぶり由美、檜扇に来てたんなら話しかけてくれればよかったのに」


「クラスが違ったんだからしょうがないじゃない…さ、探したけどいなかったのよ…」


最後の方は小声でボソボソ言ってて聞こえなかったがここでなんだって?と返すと難聴系主人公というあだ名がつくので辞めた。


俺以外の部員5名のうち2人が知り合いだったということはかなり大きかった。


この時の俺は本当に友達ができるのではないかと浮かれていた。






読んでいただき感謝感謝です!ありがとうございます!

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