人の文句はバンバン言うくせに、、、その人は特別なの?
私の会社には、物凄く人の文句ばかり言うオジサンがいます!
その名も 『轟 岩次郎』56歳、仕事はあまりできない人だけど、、、?
上の人達にゴマすりが上手いから、この会社ではいいポジションにいる!
毎日朝から、誰かしら捕まえては文句や愚痴をこぼしている。
『おいおい? 上野、これは何なんだ、、、!? 昨日言っただろう!
今日の朝までに仕上がった書類を用意しとけって! ひょっとして、、、
まだ出来ていないじゃないのか、、、?』
『あぁ、それ! 朝来て、やろうと思っていたんですよ~!』
『お前はアホか!? 普通だったらもう用意しておくもんだろう! とっくに
こんなモノ! 出来上がっていないといけないんだぞ!』
『...す.すみません!』
『今から直ぐにやれ!』
『...ははい。』
『おーい! 秋ちゃん? お茶はどうなってんだよ! 早く持ってこい~!』
『ははい、直ぐに用意します!』
『ちょっと、遅いんだよ~!』
『...すみません。』
『おいおい? 諸橋さん! 髪色少し明るすぎないか、、、!?』
『えぇ!? そんな事はないと思いますが、、、?』
『思いますじゃ、困るんだよ~! 明日までに黒く染めてきて!』
『...えぇ!? ははい、』
『吉永! お前1分遅刻したな~! 罰として今日はお前残業だからな!』
『えぇ!? それはないですよ~! 今日、僕用事があるんですけど、、、?』
『お前な! 仕事と遊びとどっちが大事なんだよ! 今日は残業だ!』
『......』
▽
毎日、こんな感じで、、、。
みんな轟さんの事を陰でこう言っている...。
【厄介者の岩次郎。】
もうみんな正直、轟さんにはウンザリしていた、、、!
...そんなある日、、、。
新しく入ってきた女の子がいた!
その子の名前が 『海堂 ゆら』23歳の新人社員。
轟さんは、海堂 ゆらちゃんにだけは、何故か特別優しかった...。
ゆらちゃんが何をしても怒らないし、手取り足取り教えたいみたいだった、、、!
『ひょっとして、、、岩次郎? ゆらちゃんの事が好きなんじゃない、、、?』
『そうだよ! だって、ゆらちゃんを見る目が俺たちとは違い過ぎる、、、!?』
『こうなったら、、、俺たちの代わりに、ゆらちゃんにいろいろ言ってもらえば!
岩次郎も何でも言う事聞くんじゃねーの!?』
『うんうん! 私もそれアルと思う!』
『ゆらちゃんと仲良くなろう作戦を開くぞ~!』
『おーーーう!!!』
▼
私たちは、ゆらちゃんの歓迎会とは別に、他に別の会も開いた!
そこにはどんな事があっても! 『轟 岩次郎は絶対に呼ばない会を~!!!』
『ねえねえ? あのさ~ゆらちゃんに聞きたい事があるんだけど、、、?
ゆらちゃんは、轟さんの事どう思う、、、?』
『...どうって? お父さんみたいな人だなって思います。』
『そう! でもさ~やたらと? 轟さん、ゆらちゃんにベッタリじゃない、、、?』
『あぁ、でもわたしが入ってきたばかりだし! 新人だからだと思いますよ!』
『いやいや? そんな事はないよ~! 私が入ってきた時は、ゆらちゃん
みたいな扱い方されてなしねぇ~!』
『えぇ!? そうなんですか、、、?』
『そうそう! そこでね? ゆらちゃんにお願いがあるんだけど、、、いいかな?
試しにわたしたちが言った事をゆらちゃんが轟さんに言ってもらえないかな?』
『俺たちの話は、轟さん聞いてくれないからさ~』
『えぇ、私で良ければいいですよ~!』
『ホント!? やってくれるの、、、? ありがとう~ゆらちゃん!』
▽
そして、その日が来た、、、!
『ちゃんと、ゆらちゃんに合図するから! そしたら轟さんに言ってね!』
『ははい!』
*
『ゆらちゃーん! 何してるの?』
『あのう、、、轟さん! 話したい事があるんですけど、、、?』
『なになに? 何でも言ってみて~!』
『女性社員がお茶くみをする事は、わたしは当たり前だと思いません!
お茶が飲みたい時は、自分で作って飲むべきだと思いませんか、、、?』
『...うん? まあ、そうだね! ゆらちゃんの言う通りだよ! 今度から
そうするね! やっぱりゆらちゃんって素敵な女性だな~』
『轟さんなら! ちゃんと話せば分かってもらえると思っていました!』
『そう! やあ~ゆらちゃんに褒められちゃったな~嬉しいよ~』
『また、わたしが思った事があれば、轟さんに言っていいですか、、、?』
『勿論だよ~ゆらちゃんが言うなら何だって言う事聞くしねぇ~!』
『ありがとうございます! 轟さん。』
『轟さんなんて! 岩ちゃんでいいよ~』
『...いえ? 轟さんで、、、!』
『あぁ、そう! まあいいや~』
まんまと、轟 岩次郎は私達が考えた作戦に引っかかった、、、!
これで、私たちもいろんな事から解放される、、、!
ありがとう! ゆらちゃん!
『貴女は、私たちの救世主だわ~!』
最後までお読みいただきありがとうございます。