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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第三章 雲龍風虎
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乾坤一擲5

益子城から西に5km程の距離に真岡城がある。

ここは宇都宮の重臣 芳賀高定が城主を務めている。


ここを攻めるとなると本格的に宇都宮と事を構える事になる。

宇都宮は連合戦の時に2万の兵を出して来た大勢力だ。


今、三國家として兵士を総動員したとしても5千が良い所だろうか?




桔梗城の会議室には龍、真田幸村、太田資正、益子勝宗、笠間綱家、宍戸義綱、里見家基と雫の8人が居た。


地図を広げ、何処の城から攻めて行くか話し合って居ると、不意に益子が


『あれはワシの息子だ』と語り出す。



『あやつは頑固でなぁ…ワシが説得しても聞かんだろうな』


真岡城主 芳賀高定は益子勝宗の実の息子らしいのだが

頑固と言うのは、宇都宮内部で権力闘争に依るゴタゴタがあり

当主 宇都宮広綱が5歳で追放されたのだが

それを高貞が守り抜き最後には宇都宮城を取り返し広綱を再度当主の座に就かせたらしい。



『今となっては芳賀家に養子に出したのは失敗だったかも知らん』

言葉とは裏腹に当の勝宗は豪快に笑って居る。



『なるほど…逆に言えば芳賀高定を陥落させれば宇都宮は脆いと言う事かな?』



『そうであろうな、広綱殿はまだ若すぎる』


そういや10代前半に見えた気がしたなと龍は思い出していた。




『それなら…ダメだろうとは思うけど益子殿と俺で真岡城に行ってみようと思うけどどう?』



『…龍殿、それがダメになると宇都宮と正面からの全面戦争になるのでは?』


確かに資正の言う通りだ。

おそらく芳賀高定を誘っても断られ、尚且つ準備されて迎え討たれてしまう。

そうなると宇都宮数万 対 龍軍5千の戦いになる。

いくら龍撃隊が強くても限度がある。



『…。龍さんは最初から宇都宮と正面から戦いたいって事ですね?それで三國家の強さを関東に知らしめたいと』


幸村は雫以外では一番、龍の事を知っている。



『うーん…そうなんだよ、宇都宮は正面から戦いやすいし それで勝ったらウチの武将等の名が上がるんじゃないかなーってさ』


龍は今すぐ家臣の名を上げたいと思って居たのだが

その心配をよそに今居る家臣達は この後それぞれに活躍し名を上げる事になる。




『…それは面白いかも知らぬ…古河足利家は北条と争い援軍どころではないし 那須家は宇都宮と仲が悪い。今なら古河連合も宇都宮を単独で切り取れるかもだ』


資正は顎に手を当て考えてながら話している。



『僕の調べでは真岡城だけで4千は動員出来るはずです。宇都宮全体では2万』


幸村の報告は絶望的に感じる。

しかし当の幸村と龍、そして資正の3人は特に負けるとは思わなかった。

考えているのはどう勝つか、それだけだ。



『まずは速攻で真岡城を落とし鬼怒川を戦場にするのは如何か?』


資正の発言に一同は地図を再度睨む。



『川か…良いね、俺は賛成。魔術で戦えるよ』



『龍さんがそう言うなら僕も賛成です』



『ワシらには魔術でどう戦うのかは分からぬが 自信があるならそれに従うのみ』


『うむ』



『よし、じゃ俺と益子さんで真岡城に行って宣戦布告して来るから皆んなは益子城に待機って事で良いね。時期は1週間後で良いかい?』



『『ハッ!』』



こうして龍にしては長い評定が終わり

1週間後に宇都宮家と戦う事が決まった。

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