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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第三章 雲龍風虎
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一利一害4

益子城へは桔梗城から3時間程度の距離だ。

桔梗城から南へ進み、木幡城の前を通過し益子城へと進む。



支配下の村々の収穫が終わり、龍は益子城を落とすべく兵を挙げた。


益子氏配下の飯村備前守には事前に

これから益子城を攻めるのだが動かない事を勧めると連絡してある。


これから支配下に入る領地から無駄に死傷者を出したくなかった。



木幡城の付近で幸村隊350と合流し総勢1700での出陣となった。





『そんじゃ、当初の手筈通り俺と龍撃隊は城門破壊から後方支援。幸村隊850は城門破壊後に突撃。スケさん800は制圧隊ね、城内から逃げ出す敵兵は逃がしちゃって良いから』


(スケさん800…スケ8…)

自分で言って自分で笑いかけたが、それに堪えて指示を出し打ち合わせを終える。



『よし、じゃぁ 無理せずに、命を優先して必ず生きて帰る事を第一に行動して』


『ハッ!』

『お任せを!』




城門前に龍撃隊が到着する。

正確には城門から200m程離れた場所だ。


龍撃隊は個々の魔術スキルの高さから200〜300mでも矢を的に当てる技術はある。



『まずは正門と矢倉を狙う。その後は幸村隊の後方支援で矢倉を次々破壊してくよ』


『はい』


『隠密射撃イチ!撃て!』



龍からの手の合図で魔術砲が放たれると正門と矢倉は簡単に壊れる。


龍撃隊を相手に籠城など全く意味がない。


門など意にも介さず破壊出来る。

矢倉も同じだ、矢倉からの射程距離より遠くから魔術砲を撃ち矢倉を一方的に破壊する。




『幸村隊!突撃ぃ!!』


そして幸村の用兵術も凄い。

用兵術と言うより 何か有能な固定スキルがあるのかも知れない。


益子城の守備部隊を次々と打ち倒していく。


こうなると塀の中で野戦をしている様な物だ。


城と言うメリットがない益子城の守備部隊は ただただ慌てふためき、早くも逃亡者が出ている始末だ。



幸村隊の後を追う様に資正の部隊が突入し

次々と曲輪を制圧して行く。



龍が本丸に到着した頃には幸村隊が既に城主、益子勝宗を捕縛していた。



『随分と早いなぁ』



『えぇ、短期決戦でしたね』



『えーと…益子さん、俺は三國龍って言うんだけどウチの配下になる?』


後手に縄で縛られた勝宗に目線を移し問い掛ける。



『殺せ…と言いたいが、これほど鮮やかに城を落とされると逆に清々しく感じる。お主の行く末を見届けたい』



『うん、分かった。ならこのまま益子城の城主をやって貰うよ』



『え?良いのか?裏切るかも知れないのだぞ』

勝宗は眼を丸くして言う。



『ん?裏切らないでしょ、少なくとも俺が死ぬまでは』


確かに龍が生きてる間は戦っても勝ち目はないだろう。

しかし三國家の2代目を継ぐ物の資質によっては分からない。



『うむ…それは確かに…』



『俺に勝てると思ったら好きに裏切ればいいさ、たぶん裏切られた原因を作った俺が悪いしね』



(度量の高い男だ…)


『…分かった。ではこれよりこの益子勝宗は三國殿の臣下となる』



『うん、宜しく。ウチの今の目標は宇都宮を吸収する事だからね』



『ハッ!』



龍は安心して桔梗城に帰る事にした。

暑い…

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