万物流転
再び山道を歩く。
途中 村へ寄り 佐助と親子の対面などがあったが 急ぎ 真田幸村の待つ上田城へと移動する事になった。
泉とは村で別れ 佐助と二人での移動だ。
移動しながら 色々と情勢を聞いた。
上田城の城主は真田昌幸で 信幸 幸村の二人の息子が居る。
現在 真田家は武田家と同盟を結び村上家 上杉家と対峙している。
弘治と言われても それが西暦で何年なのか
全く分からない龍は 勢力範囲と領主の名前から おおよそでどの時代か判断出来ないものかと思案していた。
『すると武田家の信濃の南 駿河 遠江 三河は今川家の領土かな?』
『はい 駿河と遠江は今川家で 三河は徳川です』
『徳川? 』
『徳川です。徳川家は尾張の織田家と同盟関係にあるとの噂もあります。』
(…んん?)
何かが おかしい気がする。
歴史は好きだが 年号を覚えるほどではない龍は
その変な感じがするという勘の意味を
もう少し後で知る事となる。
『ところで 龍さんは どちらの地方から旅をしてるのですか?』
『あぁ…うん…』
どう答えようかと歯切れが悪くなる
『…蝦夷の方から来たんだよ』
『え 蝦夷地から!?』
実際 嘘ではないのである
この時代に来るまでは北海道に居たのだ。
そして この時代の蝦夷地は 未開の地 謎の多い土地 外国と認識されてるであろう事も知ってて蝦夷と答えた
『なるほど 蝦夷の人だけあって服装も違うんですねぇ』
ーそういえば まだma-1に作業着のままだ
こっちの世界の服も買わないとならないなぁ
その前に この時代のお金ってなんだろ?なんちゃら通宝? 倒した山賊から金を巻き上げるべきだったかなぁ…
『幸…信繁様に会う前に 服を買わないとなぁ、そういや お金ってどういうのがあるの?』
『文と貫で 1000文で1貫です』
その後 価値について あれこれ聞いたみた結果
1貫は10万円前後の感覚らしい
って事は 服は100文付近なのだろうか?
昼過ぎに村を出て 上田城の城下町に着く頃には翌日の夕方になっていた。
途中 またも山賊に襲われたが返り討ちにし 所持金を幾らか拝借した。
それを元手に町で服を買い
翌日 佐助に上田城の真田幸村の居る部屋へと案内された。