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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第三章 雲龍風虎
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孤立無援5

夕方…ただ黙ってるのが暇。


それだけの理由で龍は 数日前に捕え即解放した飯村備前守が居る飯村城へ堂々と偵察に来て居た。



ー 小さいな…城と言うか砦なんかね?


正門の前に立ち、腕を組み城を見上げている不審者が居ると衛兵に囲まれたが


『あぁ ごめん怪しい者じゃないよ、飯村さん居るかい?』


と堂々と偵察どころか友達の家に遊びに来た感じの軽さだ。



『…城主は居るが お主は何者だ!』



『俺は三國龍って名前だよ』



(三國…?)

衛兵は三國が誰かは分からないが

城主に取り次いでみる事にした。





(はぁ…)


『…お主は何をしに来たのだ』


大きな溜息を吐き目の前に居る男に備前守は問い掛ける。



『ハハハ、偵察にね』


未だかつて こんな堂々と偵察に来た輩は居ない。



『フフ…で、何を偵察に来たのだ』


思わず笑いそうになったが グッと堪える。



『いや、益子も宇都宮も攻めて来ないから何でかなーってさ』


なかなか痛い所を突かれる。

しかし宇都宮…いや益子家内部の事を話す訳がない。



『そんな事か、宇都宮家は其方の様な小領主に構ってる暇がないのであろう。無論 我が益子家もだ』



『宇都宮は忙しいのかい?足利連合で北条と戦ってるしなぁ』



『うむ、前回の山内上杉戦の名誉を挽回するのに必死なのだ』



『あぁ…アレか』



『ん?お主 知っておるのか?』



『そりゃその時に宇都宮軍と戦ってたし知ってるさ』



『なんと…いや待てよ そういえば真田の援軍が来たと言ったが、真田家に居たのか?』



(この感じだと宇都宮の軍勢に居なかったんだな)と思った。


『あぁ 居たよ、龍撃隊と言うのを作ってたからね』



『龍撃…隊…。もしかすると あのとんでもない兵器を使う噂の遊軍の事か?』


備前守もチラッと龍撃隊の噂は聞こえていた。



『そうだよ、ウチは普通に戦っても兵は強いけど扱う武器も破壊力があるのさ』



『そうであるか…。龍撃隊と言う遊軍について噂は聞こえて来ては居たのだが、内容が内容だけに半信半疑でな』



『でもまぁ 数日前にウチの強さは味わったっしょ?普通に戦って圧倒されたって聞いたけど』


龍は自慢をしに来た訳ではない。

少し誇張し飯村城を調略しようと来たつもりだった。



『むぅ…確かに強かった。戦い慣れてる者の戦だった』



『俺の家臣で真田幸村と言う者が指揮官だったんだ』


(真田は知ってるが幸村とは?)


『真田昌幸殿の息子さ』



『あの真田の…』


宇都宮家としては真田の強さは嫌という程に味わったのだ

参戦しなくても話だけは聞かされた。



『よし、帰るかな…飯村さん、益子家に飽きたら いつでもウチに来なよ。…内輪揉めはしないから』



(やはり知っていたか…)


『あぁ…考えておく』




龍は内情の偵察を終え、帰路に着いた。

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