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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第三章 雲龍風虎
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孤立無援4

奪った建築途中の城は木幡村にあったので

そのまま木幡城と名付けた。



『雫、この木幡城に上室賀村の住人全員呼べないかな?』



『…城の普請の続きをさせるのですか?』



『そう、ただ頼むのは土木工事の方かな』



『魔術ですか』



『うん。訓練になるしね、どうだろ?』



『分かりました、では直ぐに上室賀村に行って来ます』



『うん。雫にしか頼めないからヨロシク』



『はい、では…』


雫は上室賀村では副村長の様な仕事をこなしていたせいか村人から信頼されていた。

雫が提案すれば村人達は一斉に移住してくれる気はしている。



『幸村、当分 木幡城の防備を任せていいかな?』



『龍さん、お任せ下さい。』



『城の普請の続きもヨロシク、ん〜…最低限 城の体を成してれば良いかな』



『…なるほど、領地を拡げるから、ここはすぐに重要拠点ではなくなると言う事ですね』



『うん、たぶん飯村って人は この先 敵じゃなくなると思う…勘だけどね』



『そうなんですか?では最低限の築城で防備だけは、しっかりしておきます』



この時の龍の勘は当たる事になる。

ただそれは龍が飯村備前守を見た印象のせいではなく

備前守の主家、益子氏の事情による。


現在 益子氏は宇都宮家の家臣となっているのだが

益子家の現当主、勝宗は先代当主である実の兄を殺し当主の座を奪った。

この事件で宇都宮家と不仲になっているのだ。


しかも宇都宮家に討伐されるのを怖れ勝宗は付近の大名に近付き、さらには龍が治める領地に宇都宮の了解を得ず勝手に侵攻する気配を見せた。


独立領主の様な振る舞いをする以上、主家からも敵として認識されるのは時間の問題だろう。



『んじゃ 幸村の兵はそのまま預けておくから防備頼むね、なんかあったらすぐに連絡くれ』



『分かりました。では安心してお任せを』



なんだろう…上田に居る頃よりも幸村が逞しく感じる。

親元を離れると一気に大人になるよな

と、龍は自分の若い頃を思い出した。

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