奇々怪々3
『はい行くよ〜、5+24+16=?』
『『はい』』
『よし、んじゃ潤』
『45です!』
『うん。合ってるけど、お前それ暗算だろ』
龍はガクっとする
潤と言う少年の手元の算盤は29で止まって居たのだ。
『ダメですか!?』
『お前、今 算盤の使い方の勉強をしてるんだぞ、一応 算盤を使って計算してくれ』
頭の中で算盤を弾いて計算する暗算もあるんだろうが
それは算盤じたいに慣れてからにしてくれと。
と言うか 龍は算盤の存在と最低限の使い方を知ってる程度で習った事はない。
龍がその域に達する事はほぼないと思うのだが。
『でも弥五郎先生は暗算でも良いって言ってたよ〜?』
(あの野郎…)とは思うが
弥五郎は既に龍よりも算盤の上級者になっている。
声に出すなら『ぐぬぬ…』としか言えない。
『よ〜し分かった。暗算でも良いけど、頭の中で算盤を弾く様にしろよ?(って上級者に言われた)』
『おっしゃー、んじゃ次からも算盤と暗算を使って行くねー』
弥五郎は別格として、どうも村人らの物を覚えるスピードが尋常じゃないなと龍は感じていた。
足し算から始めたのだが九九をマスターするまで数週間と掛からなかった。
今度は算盤も簡単に覚える。
楽しいと思えるから覚えるのも早いのだろうか?
ー そうなら嬉しいけどな。
ちなみに村の大人でも授業に参加して貰って居る。
教科書など存在しないので龍が教えれる事も記憶の中にある簡単な事に限られるのだが。
『んじゃ、腹も減ったし飯にしようか。昼からは魔術の授業をするぞ〜』
昼飯をササッと食べ終え
千人溜まりと呼ばれる広場に作ったベンチで寝ていると
来客がある事を守衛に告げられた。
『ん?誰が来たって?』
『はい、真田信繁?と言っておられましたが…』
『おぉ!?やっぱ生きてたか〜…分かった応接室に連れてきてよ俺もすぐ行く』
龍は応接室と呼ばれる建物へと向かった。




