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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第一章 時空転移
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江湖之人2

半刻と言われた通り 一時間程で現代人の足でも直江津の町に辿り着いた。


直江津の町は港町として発展しているようで

さっきの高田村と比べると遥かに人の往来が激しい

魚屋や八百屋、寿司や団子など軽食の屋台も見える。


『賑わってるなぁ…』


『はい ココは春日山城の城下町として栄えて居ますから』


ー あぁ あの山に見えるのが春日山城か…城を生で見れるとは…感動するなぁ…



春日山城を見上げたまま 呆けた顔をしていると 近くで歓声が聞こえた。


『あれは何だろね?』


『なんでしょう…?』


泉も分からなさそうなので二人で近くへ寄ってみる事にする



近付いて見ると 一対四で喧嘩して居る様で

既に一人は 地面に倒れている

四人の方はこの時代のチンピラの様な雰囲気を出し

一人の方はまだ15歳前後の少年の様だ。


『やっと見つけたんだ 早くアレを返しやがれ!』

少年は勇ましく 四人の男に啖呵をきっている。


四人の内の一人も

『ケッ 知らねぇモンは知らねぇよ!俺らに喧嘩売った事を後悔して死にやがれ! 』

と返す。



ー 喧嘩だったのね

と呟いた時


『…佐助? あんた何やってんの?』

と泉が驚いた顔をして少年に声を掛けた


『姉ちゃん!?』


どうやら佐助と呼ばれた少年は泉の弟らしい。


その隙を見逃さず

『お姉ちゃんと一緒に死にやがれ!』とチンピラ風の男達が一斉に殴りかかった


龍は(またかよ)と思う前に身体を動かし チンピラの一人を横から殴り倒す

すぐさま三人の方を見ると 佐助がチンピラ一人の鳩尾に蹴りを入れている姿が見えた

さらに向かって来るチンピラの攻撃の力を利用し地面に勢いよく背負い投げで叩きつけると 最後の男の後ろから佐助が飛び回し蹴りでノックアウトさせた。





チンピラから盗まれたらしい物を取り返し

佐助は (ふぅ)と安堵の溜息を吐き

三人は そそくさと場所を移動した。


『あんた何を取られたの?』


『ん…金平糖 信繁様に頂いたんだ

姉ちゃんと母ちゃんに食べさせようと思って持ってた』


『…あんた程 強い人間がどうやって それを盗られたの?』


言いにくそうに佐助は口を開く

『木の下で寝てたらスられた…ははは』


『はぁ…あんたはホント…』

泉は頭を抱えている


『あ お兄さん ご助力ありがと!』


『この方は龍さんって言うのよ 実は昨日 姉ちゃんも龍さんに助けられたんだけどね』



詳細を聞いて佐助は驚いた

山賊四人相手にして ほぼ丸腰で撃退するとは…


『龍さん もしかして武神系のスキル持ち?』


(武神?)


『武神って言う武術スキルがあるの?』


『いや固定特技だよ』

と佐助は即座に答えた。


ー なるほど 固定特技の【???】の所には そういう素質 資質 みたいなスキルも入るのか


『龍さん旅の人だよね?行く所ないなら信繁様に会ってみない?』


『ん? 信繁様って どの信繁様?』


『あぁ 俺の主 真田の信繁様だよ』


ー真田信繁って幸村? これはラッキーだ…


仕える仕えないじゃなく 戦国時代の武将の中で真田幸村を特別好きで一度は会ってみたいと思って居たのだ。

もちろん ただ会ってみたいだけなら 信長にしても謙信にしても 有名どころとは会ってみたいとは思っている龍だが



『いや 会ってみたいとは思うけど 自分で言うのも何だけど 服装から何から 俺って相当怪しい輩だと思うけど大丈夫?』


『大丈夫だよ 殿に何かしそうになったら殺すから』



(oh…)

簡単に人を殺すと言う単語が吐き出されるこの時代に少し呆れて居ると


佐助の背後から凄まじい形相で殺気を放って居る泉に気付き 佐助は凍り付いたのであった。

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