一騎当千2
昌幸が爆破心中すると言うのは本気なのか
武器庫に火薬は多く残ってはいなかった。
その少ない火薬を矢に加工して取付ける。
ー 弾の数が足りなくなれば魔術で補えばいい。
龍は楽観主義だ。命が懸かってる時だが、魔術スキルの高さからか楽観主義だからか、それは分からないが
本人は微塵も死ぬとは思っていない。
ー さて…ランボーになってやるか。
ある程度 魔術砲の矢を加工し終わると、それを持ち龍は一人 城外に出た。
(武田軍は何人居るのかねぇ?)
と呟き、静かに闇へと溶け込む。
『一人だったか…面倒くさい野郎だ』
山本勘助は【レーダー】と言う固定スキルを覚えていた。
細かい人数までは分からないが、ある程度の人数と位置を把握出来る。
戦に関して このスキルは、かなり使える。
このスキルがあればこそ武田信玄に重用されていると言える。
『クソ…真田もそうだが、あの龍と言う奴は諦めが悪すぎだ』
今回の真田侵攻戦の基本的な作戦や配置などは勘助が考えていた。
真田兵を警戒し上田城へは3隊に分け進軍した。
しかし龍撃隊に当てた飯富虎昌隊は大将の虎昌が傷を負い武田本隊へ大幅に合流が遅れ
今度は勝ちが確定している状況で暗闇から魔術砲で地味なゲリラ戦を展開されている。
完璧主義の勘助は全て思い通りに行かない事にイライラしていた。
武田軍の中でも最強クラスの強さを誇る武人、飯富虎昌を当てたのに龍を捕獲出来なかった。
(これだから生物は腹が立つ…)
山本勘助は元の世界では工場などで使われるロボットの製作、主にプログラムを打ち込む事を仕事にしていた。
ONとOFF、2進数に脳内を支配された生活だ。
必ず勝つ、必ず負ける。乱数など嫌いなのである。
『アイツは このルートで武田軍を攻撃してくる筈だ…此処と此処と…此処に伏兵を潜ませろ、それぞれ20人程で強い奴だけを集めろ』
『ハッ!』
(お前はコレでゲームオーバーだ、所属勢力が滅亡する所を何も出来ないまま見てるが良い…)




