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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第二章 関東争乱
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孤軍奮闘5

(真田家として同じ相手に同じ土地を二度も盗られるのは恥だ)


『そういや 昌幸様はそんな事を言ってたなぁ…しかしそれだけの理由で城と心中すると来たか』



真田昌幸の父 幸隆の時代に一度、武田家に敗北し土地を失ったらしい。

何故 再び上田の地に城を築き、武田と同盟して居たかまでは昌幸から聞かなかった。



『…男は(意地)だけで生きるもの、昌幸様がそう仰っていました』

佐助は哀しげに笑みを浮かべる。



『諦めるのはまだ早い、と言いたいけど味方は龍撃隊50人と信繁隊が少しだけじゃなぁ…』

ふぅ、と溜息を漏らす。



仮に武田信玄の暗殺に成功しても

死んだ事は伏せたまま上田城を制圧するだろう。

決死隊を組んで突撃しても、それは只の心中。

昌幸を見捨てて何処かに落ち延びるのも何か寝覚めが悪い。


これは命を賭けた戦いに慣れてない現代人の感覚なのかもしれない。

いや龍が優柔不断なだけと言う可能性もある。




『辰治さん、悪いけどまた村長やって貰えるかい?』



『…え?』

何故それを今?と言う顔を辰治はしている。



『俺は武田家に支配されると言うのは我慢ならないからね、頼むよ』


たとえ 先の古河足利防衛戦からの一連の武田家の動きが山本勘助と言う転移者の入れ知恵だとしても

もはや龍には武田憎しとまでなっていた。



『はい…しかし村長は今後何処へ?』



『そうねぇ、全国を旅するかな〜』

そんな気なんか露ほどもないが適当に答える。



『…では、龍撃隊は?』

龍撃隊の今後は?と言う意味で辰治は聞いたのだが


『うん 村に撤退しよう、勝ち目が1ミリもないや』

と龍は答えた。



『(ミリ?)了解です。では隊員に指示を出して来ます』

辰治は各伍長に撤退を伝えに行く。




『…龍様、私も三途の川まで連れて行って下さい』


『え!?龍さん、まだ戦う気!?』




(あちゃー…バレたか)


『俺の気が収まらないからねぇ…ハッハッハ』

緊張感のなど少しも感じさせないが

言ってる内容は心中宣言だ。



『佐助は信繁様と落ち延びて真田の血を残さないとダメだろうなぁ、この分だと沼田も壊滅っぽいし』



『…俺の気持ちとしては龍さんと一緒に行きたい…しかし信繁様を守らなくては…』

佐助は下も向き歯軋りをする。悔しいのだろう。



バン!

『まぁ、真田家として生き延びるのも重大な仕事さ』

佐助の背中を叩き ハッハッハと笑う。

龍はまだ自分だけなら殺されはしないと思って居るのか明るい。



『雫、雫も今から佐助の部下に戻ってくれるかい?俺より信繁様を守る方が真田家として優先度が高いと思うんだよね』



『え…』

龍に付いて行きたいと言うのは普段の感じで分かる。

しかし この場には佐助も居る。

幸村よりも龍に付いて行き一緒に死にたいなどと言える訳がない。



『一緒に開発した魔術は忍術として後世に残してくれると俺がこの世界に来たっていう軌跡を残せて嬉しいかなぁ』



『…分かりました。必ず魔術は残し、さらなる開発と鍛錬も欠かさず行います』



『そう ガッカリした顔をするなよ、別に俺は死ぬ訳じゃないんだからさ』

これだけ見事に分かりやすい死ぬフラグをばら撒いて何を…と龍は自身の言動を考え、笑う。




『それじゃ佐助、幸む…信繁様と雫を頼んだよ』



『辰治、撤退の指揮は頼むね、そして静かに普通の村人として過ごしてね〜』



『それじゃーね〜』



思い立ったら即 行動するのだろう。

龍は足早にこの場を去り、上田城へと向かった。

今日はこれで終わり


すんません

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