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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第二章 関東争乱
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孤軍奮闘2

槍は大して訓練出来ない農民兵でも

遠心力を頼りに物凄い力で振り回す事が出来る。

普段から訓練してる者なら一層 凄まじい速さで振り回せるのだ。



そして この男、飯富虎昌は部将だ。

部隊の指揮を執る為に部隊の後方に位置し

常に前線の兵士に指示を出し続けなければならないのだが違った。


自ら槍を持ち本能の赴くままに敵兵を殺し続ける。

味方兵士の士気が上がらない訳がない。






単純な膂力 槍のしなり 周囲の木々の位置 全てを計算してるかの様に龍に槍が次々と襲いかかる。


躱し いなし 防ぎ続けるが全く近付けない。


途中 何度か魔術を色々と放ってみるが

虎昌の周囲に何か壁があるのか直前で魔術が霧消する。



(なんだこの化物…)

何かのスキルなのか 見えない壁も圧倒的な強さも常人離れしている。


黙って居てもこのままではジリ貧になる。

(なら…)と身体に雷、風、水の魔力を込める、所謂 ブースト状態だ。

しかし この魔術は精神力の消費が激しいのだが魔石の腕輪のお陰で実践に使えるレベルになった。



『飯富さんよ 見て驚けこのヤロー…ただし見れたらな』



龍がそう言うと フッ…と姿が消えた。


ーーと思うと虎昌は雷術の拳で殴られ吹っ飛ぶ。


さらに地面に倒れて居る虎昌の胸部に手を当て

そこから大容量の雷術を直接 流し込む。




『グゥゥゥゥゥ…』

虎昌は感電してるかの様に震え 耐えて居たが やがて気絶したのか静かになった。



『虎昌様!』

駆け付けようとした兵士を雷術の拳で倒し、龍はその場所を後に龍撃隊と合流する為に移動する。




ー やっぱ精神力の消費が激しいなあの術…

走りながら龍は考えていた。

ブースト状態の術に加え気絶させる為に虎昌に流した大量の雷術、正直 これだけで精神力が空になりそうだ。

もちろん神聖丸は持ち歩いてるので、そこは問題はないのだが

戦闘中に精神力がなくなるのが厄介だ。


ー ま、いいや…俺が死ななきゃOKか




…数十分後 龍撃隊の合流地に辿り着いた。

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