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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第二章 関東争乱
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自己矛盾

四月…雪も溶け出し、気温は暖かくなり すっかり春の気候と言った感じだ。



『そろそろ武田から何かしら来るのかね?』

冬の間 龍撃隊としても龍としても出来るだけの準備はした。

それが焼け石に水なのも理解してはいる。



『本当に来るのでしょうか?』



『村長~、伝令の方が(真田の殿様がお呼びだそうで至急 城まで来い)との事です~』

村人が龍の元に走って来て そう告げる。



(来たかな?)

『分かりました、すぐに向かいます』


雫と二人 いつもの様に上田城に向かう。

上室賀村と上田城は近いので そう苦にはならない。




『失礼します』

広間に入ると 昌幸 幸村 信幸 頼綱と

いつものメンバーが揃って居た。



『おぅ、予想通りの展開だ』

昌幸がヒラヒラと紙を左右に振る。

武田の伝令から手紙が届いたのだろう。



『戦ですか?』



『あぁ 数日以内に上田の城を明け渡すか、武田の家臣となるか選べ…だそうだ』



『脅しでしたか』



『このジジィも漸く死に場所を見つけられたわ』

頼綱はワッハッハと笑う、豪快な爺さんだ。



『上田を戦場にする、勝てるとは微塵も思わぬが 簡単には負けてやらん』

昌幸はいつもより厳しい目付きになる。

しかし心なしか楽しそうにも見える。


『信幸と頼綱は そのまま沼田の地を守れ山内上杉の元の領地から武田が来る。斥候の話では4万だ』



『ハッ!武田を負かしたら上田にそのまま駆けつけます』

信幸はそう言うが 誰一人として3万を相手に沼田の兵のみで打ち勝てるとは思っては居ない。

希望を言葉にして居るのだ。



『上田は上田の者で守りきる。いいか、誰一人として死ぬ事は許さぬ。この戦は真田の意地と戦を日の本の者に見せつける戦いだ』



『『ハッ』』



『おそらく武田はすぐにでも城を発つはずだ、必ず守り通すぞ』







そのすぐ後 上田城は慌ただしく防衛の準備に取り掛かる。

上田城付近の砦へと物資を運んだり兵を配置したりと忙しなく人が動いている。


上田城へと押し寄せる武田本軍は4万だと言って居た。

やはり元の世界の過去の歴史よりも動員出来る兵数は多いのだろう。

さすが異世界と言った所か。




『さて…龍撃隊は 城の手前、各地に分散して侵攻を遅らせる任務を受けた。

これはただの嫌がらせだから魔術砲を撃ったら即 逃げる戦法で頼むね。

いいかい、必ず戦わずに逃げる事…死ぬ事は許さんよ』



『『はい!』』

龍は龍撃隊の什長 伍長を集めて軍議を開いていた。

村の防衛の方に当たる予備部隊50人と村人には基本何もしない様に指示を出した。

ただし村人に何もされなければ、と言う条件付きだ。



『よし、では皆さん 頼みますね』

そうして龍撃隊は戦の準備を始め 配置場所へと移動する。

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