虎視眈々2
『雫…ちょっと俺の手を握って貰えるかい?』
夜 いつもの様に魔術の実験と開発の時間だ。
『手を…? はい』
言われるがままに雫は龍と手を繋ぐ。
『それで 手から手へと俺に雷の魔力を送ってみてくれないかな?』
『龍様に?…ん? こう?』
魔術として使う事はあっても誰かにその魔力を渡すという事はやった事がない。
『…お?おうおう、来た。雷の魔力を感じるわ』
龍が今 試してるのは二人だが 最終的に龍撃隊全員から龍へ魔力を渡し その魔力を使い大きな術を使えないか?と言う事だ。
『よし 次は俺の背中に手を当ててくれるかい?それでまた雷の魔力を送ってみてよ』
『次は背中ですか?分かりました』
龍の背中に手を当て雷の魔力を流し込む。
『…おぉ、こっちの方が良いな、そのまま送り続けて』
そう言うと龍は自分の魔力も加え 雷術を使ってみる。
イメージでは雷が落ちる術だ。
閃光が走ったかと思うと
ズドン!と鈍い音がし目標の木が縦から半分に裂けていた。
『おぉ…これは…疲れるけど強力だ』
『凄まじい威力ですね…』
『これ明日から龍撃隊の訓練に組み込む事にするか、面白い術が浮かんだ』
龍はニヤニヤと笑みを浮かべ 今日の訓練は精神力の問題で切り上げる事にした。
『村長〜〜 それ何やってんの?』
『おう、これはな 訓練だ』
昼間、龍は雷術で小さく細長いミミズの様な雷の塊を空中に出し
それを自在に操る練習をしていた。
『『スゲェ』』
志郎と貫太には何を見せても驚いてくれるから楽しい。
『これがな、結構 難しいのよ』
魔術を具現化し それを維持した上に操る
と言うのは慣れないと難しい。
割と高度な術なのかも知れない。
『ぐぬぬ…こう?』
貫太は細長いと言うよりは丸い物を出せたが
数秒でシャボン玉の様に消えた。
『ふぐぐぐ…』
志郎は目を見開き踏ん張った顔をしているが
貫太より少しマシと言う程度だ。
『おぉ、俺も最初 そんな感じだったぞ』
それを見て龍は笑っていた。
なんだかんだ村は平和だ。




