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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第二章 関東争乱
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苦心惨憺2

城に行ったついでに上田の町の魔石屋に寄ってみる。


『魔石屋ってどこにあんの?』



『…アレです』

雫が指差した方を見ると どう見ても民家なのだが

よく見ると確かに表札の様な小ささの看板が掛かっていた。



『アレじゃ魔石屋なんて気付かんよ』

ついつい笑ってしまう。



『お邪魔しまーす』

引き戸を開け中に入ってみると

色や大きさ 形が各種ある魔石と

それを取付ける為の首飾りや腕飾りなど皮製品が飾ってある。



『いらっしゃい』

皮製品をイジっている職人と言う感じの男が

この店のオーナーだ。



『魔石って初めてで良く分からないんだけど 選ぶ基準とかって何かあるの?』



『選ぶ基準かい?そうだな…』


男が言うにはこうだ。


五属性の2つまでは合わせて取り付けられ

その際 属性の隣同士にする事が基本となる。


例えば 魔力10の含有量の炎と風の石2つを選ぶと風が10 炎が20の魔力増幅量になる


それは 風が炎の効果を増幅させる効果がある為だ。

隣同士の属性じゃない石を2つ取付けても

相乗効果は出ない。

3つ以上取付けると何故かそれぞれの効果を打ち消し合い意味がなくなる。


後は本人が使いたい属性 または使用するのに苦手な属性を増幅させるのが基本となる。



『へー…魔術を使わないのが普通かと思ってたけど 使わなくても意外と研究はされてるんだねぇ』



『まぁ、魔石は何かあった時の為に…って感じの逸品だからなぁ。そもそも魔術は昔々の陰陽師の時代から研究されてだなぁ…』





あの後 魔術スキルの歴史について小一時間話し込まれたが無事 魔石と腕飾りを買えた。


頻繁に買う代物じゃないだけに結構 値が張って驚いた。






村へ帰り いつもの裏山へ行く。


『さて、雷と水の魔石の効果はどんなもんか…』

性格を属性に例えるなら 龍は風の様な男なのだが本人は雷が好きらしい。



『まずは…っと』


掌を前へ出し 普通に雷術を使ってみる

確かにいつもより出る量が多い。



『おぉ いいねぇ…それなら 早速 瞬身の術でも使ってみるか』


瞬身の術は龍が勝手に名付けたのだが

対 上泉信綱用に開発した速く動ける術だ

雷術をベースに風術と水術を加える

5:3:1と言った割合だ。



雷と風の術で速く動き水術から霧を出し惑わせる。

雷術が多めなのは 両手と両脚に雷術を仕込んでいる為でもある。



速く動くイメージをし身体に魔力を込める

(フッ…)


すると目で追うのもやっとと言う速度で動きだす。


しかし魔石の力の使い方に慣れてない為か

龍の両手から()()()の様な物が出ている。





ー ふぅ…魔石は確かに楽だ。慣れれば使いこなせるかな?



この日も 精神力が切れるまで訓練を続けていた。


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