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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第二章 関東争乱
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意味深長2

昼間 いつもの様に訓練して居ると龍に見知らぬ来客があった。



『村長〜お客さんですよ』


『客?誰だろ?』

自宅に向かい来客者の所へ行ってみるが

全く知らない。



『村長の龍です、どちら様でしょ?』



『お前が龍か、この世界には慣れたか?』


(この世界?俺が転移者って知ってるのか?)

転移者って事を隠してる訳じゃないが

大っぴらに宣伝している訳ではない。

見知らぬ人間に転移者と言われると

なんとなく違和感がある。



『ん?あんた誰だ?』


男は龍と同じ30代前半頃だろうか

顔は少し細っそりとしている。



『俺か? 俺は武田の者だ』


武田と言われ 龍はピクリと反応する。

一応 同盟国の者だ。普通は警戒する必要性はないのだが この男からは何か嫌な感じがする。



『へぇ…武田のどちらさんで?』



『こっちの世界の名前なんて どうでも良いだろ』



『…こっちの世界の?』



『あぁ…俺も転移者だ』


ー なるほど 黒田官兵衛だけでなく 他にも転移者ってのは居るのか



『そうか、で?転移者が何の用だ?』



『ふ…そう冷たい事を言うなよ、今日はな面白い事を教えてやりに来たんだ』



『面白い事?』



『あぁ…この間の山内上杉家の滅亡は楽しかったろ?あれは俺の策だ』


(こいつか…)



『俺の固定スキルはなかなか使い勝手が良くてなぁ…』


ー 固定スキル?あぁ、???の所の項目か


『それで?わざわざ自慢する為に来たのか?』



『ふ…いや お前をゲームオーバーさせる宣言に来たのさ』



『ゲームオーバー?』

こいつは何言ってんだ?と言う感情が顔に出る。



『あぁ…お前は早い内に潰しとかないと後々面倒臭い事になりそうだからなぁ…真田家を取り潰す様に進言した所だ』

男はニヤニヤと下卑た笑みを浮かべている。

この世界に来て苦労続きで性格が捻じ曲がったのか

それとも元から性格が悪いのか龍には分かりようがないが。



『はぁ…お前が誰か知らんけどな、それを相手に言うかね?そういう事は黙って突如急襲とかにしろよ』

…と言っても格上の武田から見たら

真田家なんか歯牙にも掛けないのだろうが。



『ふ…龍、お前がいくら無双しようとな 俺も同じだけ無双出来るんだよ。なら兵力の質と量の問題だろ、残念だったな』



思い出した。どんなオンラインゲームにも必ず このての輩が居るのを。

現実味があるようで現実味のないこの世界にも やっぱり存在する様だ。



『お前 性格悪そうな顔してるなぁ 元の世界であまり上手く行ってなかったのか?』



『あぁ!? 手前ぇ 喧嘩売ってんのか?』


ーいやいや 喧嘩売ってるのはお前だろ

ぶほっと 思わず龍は吹き出す。



『許さねぇ…こっちでの俺の名前は山本勘助だ!必ず後悔させてやるからな!そんでお前の死体に唾を吐いてやるわ!』


覚えてろ!と言わんばかりに去っていく山本勘助の後ろ姿を

(変な奴に絡まれたなぁ)と龍は暫し見つめていた。

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