軽佻浮薄2
『なるほどな…』
昌幸は目を閉じ、額に手を当て考え込んだ
その目の前には龍と幸村が座っている。
『確かに箕輪城を武田家に取られると真田家の向く先は越後しかありませんね』
幸村は厳しい顔で言う。
前回の箕輪城を真田の領地とする案について龍は二人に相談していた。
もちろん箕輪城の長野業正にはまだ話して居ないのだが。
『そして箕輪城が武田以外の支配者のままで居ないと真田家としてどこにも領地を広げられなくなります、正直 沼田城も危ない』
武田としては真田を越後との緩衝地として今の領土のまま残したいだろう
『正直 箕輪の地は欲しいが…』
武田と上杉の大国に挟まれてる位置関係上
箕輪から関東に進出するか武田か上杉に従属しないと
現状 真田には生き残る道がないのだ。
『よし…頼綱と信幸の意見も聞きたい。あやつらを呼び寄せよ』
昌幸は小姓に指示を出し二人を呼び出す事にした。
龍は『俺は重臣ではないので』と後日 結果だけ聞く事にし村へと帰宅の途へ着いた。
『さて 真田家の重要な分岐点になりそうだけど どうなるかねぇ?』
夜飯をたべながら雫に話し掛ける。
『さぁ?私には分かりません』
雫はいつまで経ってもドライだ。
『どこかの勢力の従属関係になるのは嫌だなぁ…天下統一どころじゃなくなるし』
『…龍様は天下を夢見て居るのですか?』
『ん?あぁ…偉い人に頼まれたしねぇ』
しかし天下統一と口に出しながら 本人にそれほどヤル気は見えない。
『では 龍様は征夷大将軍を目指すのですか?』
『ん? そうなるのかね?まだ具体的に考えてないしねぇ』
天下と言えば征夷大将軍になって幕府を開く事なのだろうか?
秀吉の様に関白になる事なのだろうか?
それとも外国にまで支配を広げろとでも言うのだろうか。
クリア条件の分からないゲーム…
の様で居て これも現実…
(まぁ なる様になるさ)
龍は村の温泉に入りに行き
そして帰宅後すぐに寝てしまった。




