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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第二章 関東争乱
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軽佻浮薄

『しっかし、あんなやり方がアリかね?』


数日経っても龍はムカムカしていた。

密約があって前々から計画していだのだろうが

同盟国が援軍に行った相手先を すぐさま攻め滅ぼすと言うのは


(いくらなんでも…)と思うのである。



しかし 不幸中の幸いか箕輪城だけは生き残った。

なんでも武田軍が箕輪城の手前まで差し掛かったタイミングで大雪に見舞われ進軍出来なり引き返したらしい。



『春になって雪が溶け切る前に箕輪城に行かないとならないね』



『…何かあるんですか?』



『うん 箕輪城単体では武田軍と足利軍の攻撃を止められない様な気がするからさ』



『龍撃隊で援軍に行くのですか?』



『いやいや 勝手に部隊は動かせないさ、俺と雫の二人でだよ』



『…二人で?』

二人で行った所で何か出来るのだろうか?と雫は不思議そうに首を傾げる。



『山内上杉家が無くなっちゃったから箕輪城を真田家か、他の大名…例えば越後の上杉家とかの所属城にしちゃうのが楽かなと思ってさ』



『…確かに それは良さそうですね』



『…まぁ 確実に真田家が武田家に狙われる事になるだろうけど』


今回の真田家の動きを武田目線で見ると

古河足利の動きを止め、武田家の領地を確保した様に見えない事もない。

あのまま真田家が援軍に出なければ武田家が奪える領地は無かったかも知れないのだ。


しかし仮に箕輪城を名前だけでも真田家支配の城にすると武田家に対し敵対行動を取ったと受け取られる可能性もある。


と言っても、どれだけ龍が悩んだ所で ただの村長の妄想になるのだが…。



『ま それは春に考えるとして、今はまた新しい術の武器でも考えないとな〜』


『はい、お願いします』



魔術で新しい何かを表現するのなら

やはり元の世界の知識などを応用するのが近道だ

見た事も聞いた事もない物は中々想像し難い。



大きい隕石群を降らす事や 幻獣召喚の様な事は無理と思いつつ試してみたが

あまり強大な物は精神力の問題なのか出なかった。

魔術で出せる大きさ 重さ等、何か条件があるのだろうか?





翌日 戦に出ていた疲れも取れ 久々に学校を再開した。

もちろん龍撃隊の訓練は同時進行で行って居るが

そちらは自主的な魔術の訓練にしている。



『村長〜 とうとう俺らも矢に雷術と風術を同時に込める事に成功したよ〜』

志郎と貫太が龍に話し掛ける



『おぉ? 同時魔術か?スゲーじゃん』



『でしょ? 俺らも龍撃隊の什長になる日も近いな…』


『フッフッフッ…』

志郎と貫太は二人同時にドヤ顔だ。



『おぉ そのうち本当になるかも知らんぞ?龍撃隊も100人同時進軍だとか 200人に増員だとか、可能性はあるからな』



『『うっしゃー!』』



『おう まぁその時が来るまで魔術の修行と勉強は忘れるなよ?両方大事だ』



『『やるぜ〜!』』


そう叫び 二人はどこかへ走り去って行った。



『おーーい 勉強しろ勉強!』

との龍の叫びも二人には届かなかった。

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