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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第二章 関東争乱
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堅忍不抜

佐竹軍が退く数十分前


佐竹家臣 真壁氏幹の元に雫から文が届く

真壁氏幹は佐竹義重の側近として今回の連合軍の軍勢に入っていた。


『ふむふむ…』

読み進める内に氏幹の顔がみるみる厳しい顔になっていく。


『やべぇ…おい! 手前ぇら!大至急 各部隊長を此処に呼べ!遅れた奴はぶっ殺すぞ!』


『ハッ』


『兄者 どうした?』

弟の真壁義幹が不思議そうに兄の側にやってきた。


『バッカ野郎 またお頭の病気が始まったぞ…もうすぐ山の上から小田の兵に兵器が飛んで来るから、それに合わせて逃げたフリして帰れだとよ』


『!? もうすぐ、っていつだ?』


『俺が聞きてぇわ!』

兄の氏幹は焦っていた。

お頭と呼んでいる佐竹義重は行動が速いのだ。

今さっきも フラっと居なくなったと思えば

突然 文を寄越して命令を伝えて来る。

何分 何時間 どの位 後に兵器とやらが飛んで来るのか全く分からないのだ。

しかし 義重は いつもこの調子なので

焦りはするが対象の仕方は理解している。


とにかく さっさと準備するのみ。





『各部隊長が到着しました!』


『おう! いいか手前ぇら、お頭からの命令だ。これから小田の軍勢に兵器が飛んで来る、俺らはそれに合わせて逃げたフリをして退却す…』



ドーーーン


『うぉーーい!?早ぇぇよ馬鹿野郎!!おい 手前ぇら逃げるぞ!南の方の村で合流だ!』


『おい逃げるぞ!』


『退却!退却だーー!』


『散れーー!』


佐竹軍は全力で走り出す、魔術砲に怯えて逃げた訳ではない

お頭から後で怒られるのが面倒で逃げたのだ。


佐竹の軍勢の命令を受けてからの対応は異様とも言える程に早い

しかもバラバラに退却しても 別の地で再度集結して行動出来る。

余程 統制が取れてるのだろう。



小田 佐竹連合軍1万5千から佐竹軍1万が戦場から退いたのだが残るは小田5千の兵だ。


小田家の当主は戦下手として有名な人である。

普通なら ここで佐竹の撤退に合わせ 平井城を包囲している古河足利軍の方へ退くべきだろう。


しかし小田軍は違った。

長野 真田連合軍7千に全力で突撃を敢行する。


山の上から魔術砲を言いように撃たれようが

真田の鉄砲隊に撃たれようが

長野の騎馬隊に襲われようが

部隊が潰走するまで攻め抜き、散った。


もちろん小田家当主は命は無事だ

家臣が有能で忠誠心に溢れて居るからだろう。




長野 真田連合軍に多少の兵の犠牲は出たが

箕輪城戦に続き ほぼ無傷で平井城に向かう事が出来る様だ。




『あー…思い出した。小田の当主の人生って結構 面白いんだよなぁ…』

龍は山から小田が潰走する様を見下ろし

そう呟いていた。

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