一知半解
兵士のほとんどが農民か雇われ兵のこの時代では (勝ち目がない)と判断すると
早々に逃亡する。命が大事なのだ。
防衛戦なら逃げる判断も出来ないだろうが
野戦や侵攻戦ならば しょうがない。
宇都宮の兵士だけが弱い訳ではないのだ。
必要最低限な事だけとは言え 戦は早朝に決したものの戦後処理が終わった頃には既に日が暮れていた。
『村長、矢の補充は終わりました』
元村長で什長の辰治が龍に声を掛ける。
『了解 あとは神仙丸の補充だけかな?』
『もうすぐ雫さんが帰って来ると思いますが』
町や近隣の神社から神仙丸の補充をする様に雫に頼んでいた。
『戻りました。 部隊全員分 補充完了です』
『お疲れ〜 アリガトね〜』
『いえ 任務ですので』
龍撃隊は箕輪城の近隣の村に滞在していた。
50人程度の部隊長では今後の作戦に関わる事は出来ない。
そもそも真田家が継続して山内上杉家の平井城へ援軍に行くとも限らない
その条件も含めて大将同士 話し合えばいい。
『しかし どうすんだろうね〜平井城』
『援軍に行くのじゃないでしょうか?』
『行くっぽいけど…にしても伝令がまだ来ないのは おかしくない?』
ー それとも 行くのは確定してるとして
どう助けに行くかで揉めて居るのだろうか?
と思っていた。
平井城を攻めてるのは古河足利本隊と佐竹家、他 近隣の連合部隊で兵の数も多い。
次はそう簡単には行かないだろう。
『村長〜 殿からの伝令が来ました』
『了解、中に案内して〜』
『失礼します、明日 朝から平井城へ援軍の為に移動します。殿から軍備を整えとくようにとの事です』
『分かりました 朝ですね』
『では これで』
『龍撃隊は被害ゼロだったけど 連戦で しかも次は強いみたいだし、みんな怪我しないようにね〜』
どことなく緩い空気感を出しつつま
龍撃隊の中では龍が一番の新兵であり
内心では一番 緊張している龍であった。




