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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第二章 関東争乱
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右往左往3

この日の夜も 龍撃隊に依る断続的な爆発音が戦場に鳴り響く。

時折 『かかれーー!』と怒声だけが響き

実際には誰も攻撃して来ないという事が続いた。


その度に 宇都宮隊は叩き起こされ 付近の警戒に当たる

いや警戒は常時している

しかし その警戒の隙を縫って魔術砲が飛んで来るのだ。


もはや 宇都宮兵の士気は潰走寸前まで追い詰められてる事に大将 広綱は気付いて居なかった。





翌早朝、空が白み始めると

宇都宮広綱は早速 城を力攻めする旨を伝え

食事の用意をする。

戦場では通常 米は早朝に朝と夜の2食分を炊く

昼は戦いながらになるので干し飯などの携帯食だ。



兵士それぞれの簡易の窯から米を炊く煙が立つと

それが合図かの様に

『かかれーー!!』と怒声が聞こえた。


(またか)と思い 宇都宮の兵士達が思い思いに立ち上がると


空を覆う程の矢が一斉に飛んで来た。

もちろん魔術砲の矢も混じっている。



あちこちから爆音と宇都宮の兵士の悲鳴が聞こえると

今度は城の門が開き 長野家の騎馬隊が討って出る

さらに四方八方から真田の騎馬隊 鉄砲隊がどこからともなく現れ 宇都宮の部隊に突撃して行く。




『応戦しろ!』

宇都宮の大将 広綱がそう叫ぶも

兵士達は 慌てて逃げ出す者が多数で

まさに恐慌状態と言った様相を呈している。


二日間もまともに寝れず 一方的に攻撃され続け 今 四方八方から突撃されている。

これは防衛戦でもないのだから逃げ出して当然だ。



『待て!逃げるな!応戦しろ!』

広綱は声を枯らして叫ぶも


『殿!もはやこれ迄!逃げるのです!』

家臣の高定にそう諌められ 退却を始める。




もはや広綱に勝機はない。


真田の援軍が来る前に城を落とせて居たら

真田の援軍を待ち構え奇襲出来ていれば

真田と正面から ぶつかれれば…

あれこれ敗因を考えてみるものの

広綱には分からなかった。


しかし 敗因は一つ

異世界転移者を相手に、それと分からず戦をしてしまった。

おそらく それが原因であろう。



龍撃隊は 遊撃隊として表には出て来ないものの

敵に対し相当な数の死傷者を出させ

あの爆発音とその威力で恐怖を与えただろう。



しかし…当の本人 龍は(少しか活躍出来たかな?)程度の認識しかしていなかった。

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