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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第二章 関東争乱
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右往左往

夜0時を回った頃、箕輪城から東に約3㎞の地点に宇都宮の本軍1万が野営していた。


真田軍到着の報を聞き 包囲部隊を残し主力だけが少し離れた様だ。


しかし 依然として宇都宮軍の数の優位は変わらない。

城の包囲部隊に9千、真田本軍相手に1万だ。





『さて信幸よ 今日は敵を寝かせるでないぞ?』


『はっ、真田の戦 存分にお見せしてやりましょう。では』


そう言うと 信幸率いる弓隊300は野営地に馬を走らせ向かって行く

夜襲を仕掛ける為だ。



夜襲と言っても本格的に戦う訳ではない

敵を寝かさないのが目的の夜襲だ。


そして雫と龍撃隊10人は この信幸隊の中に居た。



宇都宮本軍野営地まで100m程の距離まで近付き 一斉に矢を射かける。

もちろん魔術砲も同時にだ。


そして すぐさま その場を脱出する

爆発音だけが静かな夜に花火の様に鳴り響く。



呼応する様に 大手門側の宇都宮の包囲部隊の野営地からも爆発音が鳴っている。

龍の龍撃隊が襲いかかってるのだろう。




この日 空が青白くなる頃まで 爆発音が断続的に鳴り響いていた。





朝になり 辺り一面 見渡せる様になると

干し飯をポリポリとそのまま口に入れ

『さて 冷やかしに行くか』と昌幸が呟き甲冑に着替え

騎馬鉄砲隊1千を率い出陣する



信幸達 夜襲隊には仮眠させる。

本日の夜も夜襲させる為だ。




昌幸の采配は鮮やかだった。

敵部隊を発見すると射程距離まで近付き

一斉斉射 即 反転して脱出する。


追いかけてきた敵兵を伏せて居た鉄砲兵が射撃し その鉄砲兵も馬に乗り脱出する。


散り散りになり脱出した様に見せて

追い掛けた先に また終結して居る。



宇都宮軍から見ると 昌幸の鉄砲兵は 4千にも5千にも感じた。



夜は夜襲を繰り返し 昼は騎馬鉄砲に依る一撃離脱を繰り返し

とにかく正面からぶつからない


宇都宮軍からすれば

(こんな小城程度 早い所 落として盟主 足利本軍に合流したい)と思っているだろう。

その様な 人の考えを読む事が昌幸は上手いのだろう。

まして 宇都宮の大将 宇都宮広綱は まだ若いと知っている。



(戦とは敵の立場になり その最悪の場合を考えよ。その最悪の場合を実行してやれば良い、簡単だろ?)

信幸、幸村は常日頃 昌幸からそう言われて育った。


実際 この戦い方を見ていれば (効いてる効いてる)と現代人の龍なら思うだろう。




その龍は仮眠から目が覚め城の裏へと回り込み

背後の包囲部隊に手を掛けようと潜んでいた。


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