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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第一章 時空転移
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曖昧模糊2

武田家は真田家と同盟関係にあるが

元の世界とは違い 家臣扱いではなく

純粋な同盟状態らしい。


武田家の現在の領土は信濃と甲斐だが

信濃の一部に真田家の土地がある。



龍は不思議に思っていた。

武田から見れば 真田なんぞ地方の一豪族程度だろう。

それが家臣でもなく従属でもなく

ただの同盟と言うのは 武田家に何のメリットがあるのだろう?と



越後に対しての緩衝材の意味で真田家を生かしてるのか

それとも戦を起こし真田家を吸収するには

痛みが大きすぎるから今は生かしてるのか



急に同盟を破棄する事が出来るなら

真田家にとって一番脅威なのは 北条でも上杉でもなく

武田家なのではないか?と。



そんな心配はただの村長がするべきではないだろう

昌幸なら上手くやるはずだ。


元いた世界でのゲームの中では

同盟がある内に勢力を広げ

武田家よりも強く大きくなる事が

真田家が唯一生き残れる道だったと思う。



しかし内政で一つの国や城を最強状態にしてから

攻め込むのも また好きだった。



ゲームの様なこの世界は

どの様に各勢力が進んで行くのか

それを知るのは怖くもあり また楽しみでもある。




『真田家としての当面の勢力目標みたいのって何かあるの?』


そんな事は知る訳もないだろうが

夜飯を食べながら 話しのタネとして雫に尋ねてみる。



『さぁ 私には分かりませんが上野から関東に出れたら…とは昌幸様から聞いた事があります』



『そうなんだ…覚えておこう。よっし んじゃ今日も修行に行こうか』







『村長 また来たよ〜!』

と村の少年 志郎が 山の修行場に来た

隣には貫太も居る。



『最近ちょこちょこ来るなぁ 夜に出歩いたらダメだろ?』



『村長 俺は男だぞ!もう子供じゃないぞ!』


(ん?この時代の成人って15歳とかでなかったっけ?)


『まだ12歳だろ?』



『ふっふっふ…自分が大人だと思った時が大人だぁ!父さんが言ってた!』



(おいおい…)と言いかけたが

まぁ 良いかと思い直した。

あと数年もしたら 大人の仲間入りするだろう

その時 村の50人隊に入れば魔術スキルの高さが必要になる。

今から練習しておいても損はない。



『分かった分かった んなら一緒に修行するか』


『うん!』


外見も話す言葉も どう見てもまだ子供だろ…と龍は思っていた。

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