不断節季2
『よし…終わった』
龍は自作の簡易な机の前で呟いた
村民 全員の記録を付けていたのだ。
その記録によると
上室賀村は人口が302人だった。
主な作物は米だが 山芋や里芋 大豆など野菜類も作っている。
桃や梨など果物もあった。
ー 次は村周辺の簡単な地図でも作ろうかな?
『雫〜 この村に地図ってあったっけ?』
『地図…蔵を探してみます』
そういうと雫は蔵に地図を探しに行った。
真田家の領土としては
北に上杉家 西と南は武田家 東は…どこの大名だろう。
元の世界の戦国時代なら 北条か上杉だろうか…
ー そういえば 幸村の兄 信幸とはまだ会っていないな…沼田城って言うのはこの世界でも真田家の城なんだろうか?
ー 確か…上田城から ちょい右上だっけか?
右上…と言うのは 龍は北を上 南を下と言う癖があった。確かに地図を見た時に 北が上ではある。
ー となると 沼田城の下には北条家の領土があるのか? だけどゲームの特殊シナリオだと有名武将が時代に関係なくあちこちに散らばってたから 北条家とは別の大名が支配してる可能性もあるよな〜…
真田家が警戒すべきは 北の上杉家と 南東の北条 もしくは 他の大名なのだろう。
ー 収穫時期まで まだまだあるし
そっちの方まで行ってみるか…
ガララっと戸が開き 雫が中に入って来る。
『この村の地図は ありました いつ書かれた物かは分かりません』
『お、あった? サンキュー 古くても良いさ 地形的なのだけでも正しければ それを書き直すだけだしね〜』
『さんきゅ? 龍様は時々 不思議な言葉を使う…』
『あぁ ありがとう って意味だよ』
『…そうですか』
『そういや信繁様の兄さんって 沼田城に居るの?』
『はい 信幸様は沼田城に居ます。頼綱様も普段は沼田城に…』
ー なるほど それなら丁度いい あの爺さんに信幸を紹介して貰い、ついでに 沼田城の南側の支配者の名を聞こう。
『近い内に 沼田へ行ってみようか』
『はい』




