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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第一章 時空転移
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杓子果報2

室賀氏の居館に着き

門番に『三國龍が来たぞ』と告げると

『お待ち下さい』と門番は慌てて中へと走り去った。



『大丈夫ですかね?』

幸村は心配そうな顔をしている。



門番が戻って来て

『こちらへどうぞ』と広間へと案内された。


中へ入ると 昨日の男と その親らしき これまた人相の悪い男が中央に座っており

少し離れて部屋を取り囲む様に帯刀した武士が待機している。



親と思われる男の目の前まで向かい

その場にドカッと座り

『一体 何の用で俺を?』と

とぼけて言い放った。



『手前ぇ 此方に居る方が誰か分からねぇのか!? 室賀城 城主 室賀正武だぞ!?』



『そんな叫ばなくても聞こえるよ』

と龍は小馬鹿にして答える。



『て…手前ぇ!今日は生きて帰れると思うなよ!?』


『まぁ 正高よ 少し落ち着け』

正高と呼ばれた 昨日の茶屋の男は

(しかし…)と言いつつ 腕を組み下を向いた。



『三國殿 貴方は昨日 ここに居る息子 正高に理由もなく襲いかかったと言うのは本当か?』



『ふふ… 理由もなく襲いかかったと?確か他にも数人 居ましたが そいつらからも まさか同じ内容で聞いてるので?』


(いやいや)と手を振りながら

『息子の言う事が間違ってる訳がないだろう?』



ーいつの時代もバカ親ってのは居るのね

龍は思わず失笑してしまった。



『それでは 俺が何を言っても信用しないでしょうから 何も言いません。それで 俺にどうしろと?』


『なーに ちょっと痛い目を見て貰ってから 後で真田家から慰謝料を貰うのさ』



『ほぅ…一応言っとくけど 今ココに信繁様が居られるが コレは道案内を頼んだだけで この件に真田家は関わってないからな』


『それと…俺は自分が間違ってるとは1ミリも思ってないから 黙ってやられるつもりはないぞ』



(ミリ?)と思うよりも先に

『かかれ!』と室賀正武が叫ぶ


佐助は その声を聞き

『こちらへ』と そそくさと幸村を連れて部屋を出た。




いくら 刀や槍を持とうが こちらには毎日 実験と練習を繰り返している魔術と言う飛び道具がある

10人や20人相手なら負けるつもりもない。



昨日と同じく 魔力を込めると

両手に雷術の電気を纏わせた。


一人二人と 襲い掛かって来る者共を気絶させていく、

ふと後ろを見ると 雫も応戦していた。


ーあとで雫に謝らないとなぁ





ものの5分と言った所で 全員気絶させた。

残るは室賀親子の2人のみだ。


『ぐ…お前のそれは何だ 妖術か!?』


『いやいや 魔術スキルでしょーよ』

(武士なら武器がどうのと言わず 使える物は使えよ)




『今すぐ この村から逃げて 何処かに落ち延びるなら逃がしてやるぞ?』


『ぐ…』


『俺はどっちでも 良いけどね〜 戦うなら 昨日とは違って本気で殺すよ? 何度も何度も来られても面倒くさいからね〜』


奥に飾ってある鎧に指を差し

魔力を込めて雷術を放つと

指から閃光と共に小さい雷が飛んでいく。


瞬間 鎧が弾け飛んだ。



『父上…』

正高は青い顔をして父 正武を見る


『わ…分かった 命は助けて欲しい この土地はお主に譲る』

正武は項垂れて 声も震えている。



こうして 室賀一族は 領地から落ち延びた。



ー ほぼ一人に落とされる領地って どうなの?


と龍は愕然としていた。

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