驚天動地
飯富虎昌を撃破し 龍撃隊の元へと戻った龍達は開戦当初と同じく幸村隊の援護をする形のまま初日の戦いを終えた。
『あいつら初日で勝負を賭けて来なかったねぇ』
『そうですね、様子見の様な気がしました』
龍も幸村も城には戻らず、野戦用の陣所に居た。
『って事は明日一気に来るつもりなんかな?』
『そうかも知れませんね』
『いやぁ…ごめんね、すっかり捕らえるって選択肢がある事を忘れてたよ』
『あぁ 虎昌殿の事ですか?』
『うん、倒すだけで満足してもーた』
『それはそれで良かったと思いますよ、捕らえたら飯富隊が死に物狂いで龍さんに襲い掛かってたかも知れないですし』
『…さすがに5千相手じゃ勝てんわ』
虎昌を撃破した時点で飯富隊は無傷と言わないまでも まだ多くの兵を残して居た。
それを一旦撤退させただけで成功と言えるだろう。
『しっかし参ったな、武田は本当に強いわ、統制が取れてると言うか兵士一人一人が強いと言うか…』
『えぇ、強いです。今までの様に魔術砲があるから簡単に戦況がこちらに傾くと言う相手ではない様ですね』
『うーん…ワープ暗殺でも決めてやるか』
と龍は冗談を言って笑って居たが、幸村にワープと言う単語は伝わらなかった。
翌日、武田方の正面の部隊は昨日に引き続き前進して来たので、同じく龍撃隊 幸村隊で抑える。
しかし昨日と違ったのは 武田方の両翼が三國方を包み込む様に進み始め、さらに小山田隊と見られる5千の兵が今村城へと戦場を迂回して移動しているのを確認した。
『全軍突撃って奴か?シンプルだけど効くねぇ』
『…何か策はあるのですか?』
『うーん…昨日連絡が来たんだけども 桐生城に居た婆さんが息子を大将にして昼に敵本陣に突撃するとさ』
『…輝子さんがですか』
『危なっかしいから止めて欲しいんだけどな』
『危険ですね…』
『だろ?』
あの婆さんが どれ位の兵で来てくれてるかは分からないが
武田本陣には軽く5千は兵が控えてるはずだ。
オマケに軍師として山本勘助が本陣に居る。
もちろん転移者である山本勘助がどの程度の実力者なのか分からない、分かっているのは武田信玄に認められていると言う事だけだ。
『まず、敵の動きを見ながら昼までに考えてみるさ』
包囲されながらの戦は士気に影響が大きく出る。
兵数の上でも劣勢なので午前中が正念場だ、まずは ここを乗り越えなくてはならない。




