古今無双2
その少し前、飯富隊が移動し由利隊と交戦状態になったのを龍は確認していた。
しかし予想以上な飯富隊の強さに正面の援護は辰二と龍撃隊に任せ、龍と雫は急ぎ由利隊の援護へと向かった。
由利隊の前線に到着すると長槍を手に暴れ回って居る赤い甲冑を着た男を発見した。
『アレは飯富虎昌だよな』
『はい、上田の時に出会った男ですね』
飯富虎昌が前線に立ち長槍で三國方の兵を次々に倒して居る。
こんな男が将なら士気も上がるだろう。
『俺がアイツを止めて来るから援護よろしく』
『はい…』
そう言うと龍は飯富虎昌に向かい走り出した。
途中、数人の敵兵に斬りかかられたが雷術で気絶させ、そのまま走り続け虎昌の目の前へと躍り出た。
『よう、また会ったな』
『む?お主はいつぞやの…今や当主となったのに自ら戦うか』
『黙って待ってるのは好きじゃないからなぁ』
『うむ。こちらとしても汚名返上の機会を与えられて嬉しい限りだ、その為に来たのだがな』
『何回戦っても同じだ、と言うか個人的に戦いたいなら 戦なんか起こさず直接来たらいいのに』
『ふふ…拙者は模擬戦をしたい訳ではない。死を賭した戦いをしたいのだ』
『そうか 俺はまだ死にたいとは思わんけどね』
『拙者も死ぬつもりなどない、屍を乗り越え高みへと昇る為の死闘だ』
龍は虎昌のその台詞を聞き(漫画の読みすぎだろ)と思ったが声には出さなかった。
『そうか、まぁ人それぞれ生きる目的は違うわなぁ』
『うむ、では やろうか…お主を倒す為に魔術を鍛え上げた。もはや死角はない』
虎昌は槍を構え全身に魔力を流している様だ。
『これ以上 味方をやられる訳には行かないし、戦が終わるまで気絶してて貰うよ』
龍も同じく全身に雷と風の魔力を流し ブースト状態になり、触れれば気絶する雷術を両手に蓄えた。
『ぬりゃぁぁっっ!!』
虎昌が叫ぶと 5mはあるかと言う長槍を大きくしならせ 龍に叩き付けた。
と思ったが 龍はそこに既に居ず、気が付いたら虎昌の懐で自慢の赤い甲冑に掌を添えて居た。
『っ!!』
雷術を虎昌の体の中へと一気に流し込む。
『ぬぁ!!』
が、虎昌には効いて居ないのか槍を返し龍を弾き飛ばした。
『おぉ痛ぇ…その身体に流れてる魔術のせいで雷術が効かないみたいね…』
『お主に勝つ為に編み出した術だ』
『あらまぁ…』
先程 虎昌に雷術を流し込んだ時、魔力が吸い込まれた様な気がした。
そうなると考えられるのは 魔力を吸い取る術 もしくは属性の相性が魔術にはある の2択だろうか。
良くある漫画の中では吸い取る敵には上限以上に魔力を流し込みパンクさせる方法や
属性相性かあるなら その属性に強い属性を使うかだろうか?
『これだから魔術は面白い…』
龍は笑うと 属性相性の方から試してみる為に今度は左手に違う魔術を流した。
『ふふ…何度やっても同じだ、お主の術はもう拙者には効かない』
『まぁ やってみないと分からねぇしね』
再び長槍を振り回し龍に何度も襲い掛かるが
一瞬の隙を突き、今度は虎昌の背後に回った。
『物は試し!』
龍の掌から虎昌の体内へと強く魔力を流し込むと虎昌が回転しながら吹き飛んで行った。
『ぬぅ!?』
『あー…やっぱ属性相性だったのか…風術で土の魔術ごと虎昌が吹っ飛んだや』
『お主…雷術以外も使えるのか…』
『ん?そら当たり前やんけ、みんなそうだろ』
龍はもちろん、雫も龍撃隊も佐助や才蔵など幸村の部下も みんな5属性は使える。
多少の得手不得手はあっても周囲の人間がそうだから龍はそれが普通だと思って居る。
『ぬぅ…と言う事は何の術で防いでも無駄か』
(いや まぁ無駄って事はないだろうけど…)
と思ったが 何故に敵に教えてやらにゃならんのかと あえて黙って居た。




