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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第一章 時空転移
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前途有望2

幸村の元へ戻ると 報告をし

『火薬は幾らの値段で仕入れてるのか?』と確認する。


『えーと…確か合計すると火薬1発で言えば20文程度のはずです』


ーなるほど 神仙丸って弾薬2.5発分なのね


そう考えると 神仙丸と言うのは安いんじゃないかと錯覚してしまうから不思議である。



『上手く行けば 朝言った様に これから産業を色々と起し経済を発展させたい その為に安田屋と付き合いたいのですが 真田家として それは構わないですか?』


『大丈夫…と言いたいけど まずは父 昌幸に確認しないとならないでしょーね』

と幸村は苦笑しつつ困り顔になる。



『父にはその旨 確認しておきます。』




『では 宜しく』と龍は帰宅の途に着いた。


家に帰り 雫に夕食に客が来る事を告げると

再び町に戻り酒を買う。

商談には多少のアルコールがあった方が上手く行く事もあるだろう。

ほぼ初対面なら 尚更だ。


この時代の酒は どぶろくと言う 濁り酒がメインの様だ。

清酒もあるにはあるが高級酒に分けられていた。

もちろん買ったのは濁り酒だ。



日が暮れた頃 松兵衛を迎えに行き自宅へ招いた。


食事を終え 酒を飲みながら談笑したいると松兵衛が切り出した。


『で 昼間の事ですが…』


『失礼ですが 松兵衛さんは儲ける事がお好きですか?』


『儲ける事? それは商人ですからな 嫌いな訳はないでしょう』

当たり前と言う顔をして松兵衛は言う。


『松兵衛さんは信用出来そうだ』


『…儲けるのが好きだと信用出来る人間だと?』


『はい 色々なしがらみよりも儲けを優先するなら 儲けを出させる限り裏切られる事はないですからね 信用出来る』


(なるほど)と酒のせいもあってか笑って納得している。




『まず 真田家…と言うか 俺はこれから次々と新しい事を開拓していくつもりです』

と口火を切ると


現状 輸入でしか仕入れられない砂糖などを自作する事や

新たな農業 新たな武器開発 新たな糸など一般製品などを作る予定がある事をゆっくりと説明した。


『ほぅ…それは凄い。それでそこに安田屋の利点はあるので?』


『これから色々と輸入して貰わなければならない物もあるでしょう 例えば甜菜の種の様に。それでここ上田の町に支店を出して頂きたい そうすればその商品を安田屋に優先的に卸しましょう』



(む… そう来たか)

と松兵衛は思った。 しかし話しが上手すぎる とも思う。そんなに新しい技術が次から次へと開発される物か と。



『まぁ いきなり信用しろとは言いませんよ 俺も自分で完璧に成功するとも思ってませんしね』

と言いながら 龍は自分を微塵も疑っては居ない。

異世界とは言え未来から来てるのだ。



『なるほど 話しは分かりました…しかし一つでも成功例…手土産が欲しい』


それはそうだろう。

今日初めて会った人間から上手い話しをコレかでもかと詰め込まれたからと言って 100%信用できる訳がない。



『…分かりました。では ちょっと裏山へ着いてきて下さい。火薬を少し預かって来たので』


(裏山?)松兵衛は訝しげに頷くと 雫も揃い 三人で裏山へと移動する。






『これは火薬を付けた矢で まだ試作品ですが試しに見て下さい。』

と言うと 龍は弓を構え木で出来た的をじっと睨む。


およそ的まで100mはあるだろう


昨夜の練習通り雷と風と炎の魔力を込めると

矢を放った。


瞬間、的が轟音と共に爆裂した。



(なっ…)

松兵衛は目を丸くして驚き

まるで時間が停まったかのように言葉を無くした。



(これは種子島よりも凶悪だ…)


初めて鉄砲を見た人は この時の松兵衛と同じく驚き戸惑ったかも知れない

しかし松兵衛は 種子島を知っていてなお驚き戸惑った。


(こんな武器があるなら戦で真田家に…)

勝ち目はないではないかと。



と同時に確信した。

(この龍と名乗る男は おそらくこれ以上の事を作り出すだろう)と。


なら商人として乗っからない訳には行かない。


『一旦 富山へ帰り また後日 三國様の所へ参ります。』

一気に酔いが覚め 真面目な顔で松兵衛は言った。



『はい お待ちしております。』

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