武運長久4
龍達は今村城の城外に1万2千程の兵を展開させていた。
目の前には武田方3万の兵が見える。
『いやぁ多いなぁ…』
『…戦は兵の数ではないと幸村様が言っていました』
『そらそうだけどさ』
相手に依るよと龍は笑う。
『…龍様、敵が動き出しました』
『あぁ、ホントだ。んじゃまぁ小雨も降ってるし雷術砲の準備だな』
『はい』
現在 武田の最前線の兵までは2km程度の距離だろうか、雷術砲の射程距離である400〜500mに敵兵が入れば すぐに射撃を開始する。
雨が降っていれば火薬が使えない、その代わりに雷術を込めた矢である雷術砲を撃つのだ。
『…よし、龍撃隊 雷術砲準備!威嚇射撃二!』
龍の合図で100人からなる龍撃隊から一斉に矢が放たれる。
魔力が込められている為 普通の弓矢よりも高く遠く飛び武田の前線へと向かって行く。
ただの矢だと思い、板で出来た矢を防ぐ大盾を構えて居るのだが
その大盾に雷術の込められた矢が当たると雨を伝い その大盾を持って居る人間が爆発音と共に次々と感電して倒れて行く。
『山本って奴は雨が降ってる日を選んで侵攻して来るまでは良い考えだったんだけどなぁ』
『…何が起きてるか分からない分 魔術砲より雷術砲の方が怖いですね』
『だろうなぁ…よっし、雷術砲準備!威嚇射撃二!』
またも射程距離内に敵部隊が入ったので龍の合図に合わせ一人二射ずつの雷術砲を放つ。
敵部隊を全滅させるとまでは行かないが、矢を受けた人間とその周囲を高確率で気絶させ
さらに残った兵にも恐怖を与えられる。
得体の知れない兵器は恐怖以外の何物でもない。
今度は幸村隊が正面から敵兵へと向かって行く。
龍もそうだが 幸村も自ら前線に立ち味方の兵を鼓舞させながら戦をするのが得意だ。
誰しもが出来る訳ではない。
むしろ危険な事なのだが、天性の勘とセンス、個々の武術などがあって初めて出来る芸当だろう。
『お、幸村が行ったか。援護に切り替えだ』
『…はい』
龍達、龍撃隊のメンバーは普段の矢の射程距離は400〜500mだが、強く魔力を込めると1km程までは飛ばせる。
ただし風の影響などもあり命中精度はかなり下がってしまう。
なので味方が前線で戦ってる時は 味方の頭上を越え雷(魔)術砲を敵の陣営に散らす様に援護射撃として放つ。
『さて ここから あの偽物はどう出てくるかな?』
龍が偽物と言ったのは山本勘助と言う転移者の事だ。
正直 龍はゲームなどに出てくる山本勘助と言うキャラは好きなのだが
それだけに山本勘助の名を騙るのが腹立たしくある。




