泰然自若2
『龍さん、いくらなんでも戦費が多すぎませんか?』
そう龍に問いかけたのは荒川弥五郎と言い、龍が義重に桔梗城を貰い受けた頃から城の経理を担当して居る若者である。
『あぁ…やっぱそうなる?』
龍はそれを理解はしていたが、敢えて知らないフリをして居た。
『運送業や特産物の販売だけじゃ経費を賄いきれませんよ』
『だっはっは、いやぁ つい好機と思ったら攻めないと勿体ないかなぁってさ』
龍は悪い事してるなぁと苦笑しつつ答えた。
『ウチは田畑からの年貢の割合が低いのですから、他にも何か収入源を確保しないとマズいですよ』
『そうかぁ…そういや義重の所の山で金が取れるらしいけどさ 桔梗城の周りの山で取れないのかね?』
『そんなに簡単に山から金銀が取れる物なのですか?』
『いや知らん…探し方も取りかたも全く分からんさ。灰吹法がどうとかって その単語しか聞いた事ないや』
歴史物のゲームをやってると金山に関わる所で高い確率で出てくるのが灰吹法と言う単語だ。
もちろん龍も各種ゲームから その単語だけを知った一人だ。
『そうですか、では佐竹殿に金銀の掘り方を聞いてみましょう』
『そうね…坑道を掘るとか鉱石を丸ごと掘り出すとかだけなら俺とか龍撃隊の奴らでも手伝えると思うよ』
多少疲れるが土術を使えば その程度なら…と龍は考えていた。
重機もダイナマイトもない この時代の掘り方などは全く知らないが
魔術でそれらは補えるだろうと予想して居る。
『う〜ん魔術って便利ですね』
『ただ土術は凄ぇ疲れるよ、何でだろうかなぁ?形に残る物 形を変える物 それらを魔術でやろうとすると疲れるんだわ』
『あぁ なるほど…だから龍さんは空を飛ばないのですね』
弥五郎の唐突な魔法使い扱いに龍は そのタイミングで飲んでいたお茶を噴き出しかけた。
『いやいや飛べる訳ねぇやん、俺ただの人間だし』
『…人間だと魔術砲で遠くまで射撃出来るのに空は飛べないのですか』
弥五郎にそう言われ そういやそうだなと納得しかけた。
『いや…そうか 自分に風術を使えば空を飛べるかもなぁ…』
『龍さんなら本当に飛べそうですね』
『一応 練習だけしてみるかな』
『そうですね、でもその前に金山にしろ何か収入源を考えて下さい』
『え? あっはっは…頑張りま〜す』
どの時代に居ても 金を管理する者の言葉には勝てないと思う龍であった。




