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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第五章 因果応報
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一視同仁4

関宿の城下町に味噌造りの職人の家があった

、その者の名は飯田嘉兵衛と言うらしい。


龍はここ数日、その者の工場に通って居た。



『なるほど…で、大豆をアレコレした完成品が この味噌なのね』



『えぇ、だいたい半年寝かせれば こんな味噌が出来まさぁ』



『味噌を作れるなら醤油って作れないんかい?』


素人ながら味噌も醤油も似た様な物って思い込みが龍にはあった。

同じなのは大豆くらいかも知れないが。



『醤油…アレの作り方は上方で見た事はありますがね、オイラには無理でさぁ』



『んー? そんなに醤油って特殊なの?』



『特殊と言うか…かかりっきりになっちまうんでね』



『そんなもんなんか…勝手な思い込みだけど醤油って大豆と小麦をなんやかんやして混ぜたら後は寝かせるだけだと思ってた』



『小麦? 醤油にそんなもんは入りませんよ』



『あれ?そうなの?』



『味噌も醤油も大豆と塩水だけでさぁ』



『うーん…何かの本で読んだんだけどもさ、確か大豆を水に浸けて蒸して、小麦を炒って…麹を混ぜて…塩水ぶっこんで熟成…?だった気がするなぁ』



『うん?オイラが見たのとは違いまさぁ』



『いや、俺も遠い記憶を頼りにしてるだけだから間違ってる可能性はあるわ』


それは当然だ、醤油を自分で作ってみようと普通は思わない。

元の世界ではスーパーどころかコンビニですら気軽に買えたのだ。



『しかし、せっかく城主様が来てくれてるんで、少量なら色々と試してみましょうか』



『うん、頼むよ。細かい分量とか割合とかまでは全く記憶にないけど、さっき言ったような大まかな作り方と途中経過なら思い出せるかも知れないしね』



『分かりました、やってみましょう』



『その試しの分の材料の費用はコッチで用意するから使った分は言ってくれ、完成して後々商品になる様なら そこからは好きに作って売ってくれ』




『おぉ?それで良いんですかい?』



『あぁ、良いよ。そうなったらここ関宿の名物として各地に船で輸送し、その関税で城の収入にするからな』



『なるほど…完成したらオイラも有名になるかも知れないなぁ』



『あぁ、そうなると思うぞ。その時は弟子もわんさか増えて工場も彼方此方に増築しないと間に合わなくなるかもなぁ』


龍は半分冗談のつもりで言っていたが、後にこれが現実になる。

飯田嘉兵衛の言う大豆のみの醤油は現在では溜まり醤油と呼ばれており、手間がかかるため需要に対して供給が間に合わなく高級品なのだ。


しかし龍が遠い記憶から思い出した大豆と小麦の醤油は現在主流になっている濃口醤油である。


濃口は溜まりと比べると熟成期間が多少短く、手間がかからない為に多く作れる。



しかし そんな事まで龍が知っていた訳はなく、たまたま味噌の醸造所を発見し

そう言えば こっちに来てから醤油を使った料理を食べて居ないなと思い、たまたま醤油は作らんのか?と興味本位で聞いただけだった。



これも大きな意味では転移者の恩恵と言えるのかも知れない。

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