喜色満面
『異世界の技術をどうか教えて欲しい』
そう幸村に頼まれ 一時的に真田家の客分になる事にした。
と 言われても 現代の技術は扱えるが
それを一から作り出せと言われると少々厳しい。
ただ スキル…いや魔術と合わせれば 何か出来るかも知れないとは思っていた。
ー まずは覚えた魔術スキルを試してみて 早く慣れないとな
新しい技術を開発するには 今ある技術を理解する事から始めないとならない。
上田城から北に三十分程歩くと
数十軒の民家が立ち並ぶ場所が在った。
真田家の家臣でも 位の低い者達の住まいの様だ。
『龍さんは ここを使って下さい』
そう佐助に言われた建物は 広くはなく
ただ寝る為だけの部屋と言った感じだ。
数軒離れた所に佐助の邸宅もあるらしい。
『ところで 今更だけど 佐助って 忍びの佐助?』
『あれ? バレてましたか〜 確かに俺は忍びです、直江津の町にも偵察で訪れてました』
ー 幸村もそうだけど こんなに早く真田十勇士の一人にも会えるとは…
龍は玩具を与えられた子供の様な笑みを我慢出来そうもなかった。
佐助と別れ 家の裏にある山に入り
先ほどメニューにあった
魔術を使ってみる事にした。
ー んーと 炎術と雷術 回復術ね…
メニューと同じく 魔力を込めれば出るのか?
掌を前に向け フッ…! と力を込め炎をイメージしてみた。
すると
ボォォッ! と拳と同じ大きさの炎が前方に飛んで行った。
ーほぅほぅ…次は雷術…
同じく掌を前に向け 雷をイメージしてみる。
チッ…! と閃光を放ち細い雷が勢いよく空中を走って行った。
これは 楽しい! と その後も
掌ではなく 指を差し撃ってみるなど
数発 雷術を撃ち続けると身体が重くなる事に気付いた。
ー この身体のダルさがMP切れって事だな?なるほどなるほど…これは集中的に魔術を鍛えてやろう 楽しくなりそうだ…
この数日 元の世界では 久しく感じてなかった 新しい事を覚える楽しさや 驚き を立て続けに感じ龍は 心底 楽しそうな笑顔を浮かべ
気持ちの良い疲れを感じた。




