行雲流水
『よう…凄ぇ順調に領地を広げてるじゃねぇか』
声がした方に龍が振り向くと佐竹義重が笑みを浮かべて立って居た。
『おう 義重、今んトコ結構上手く行ってるわ』
桔梗城を譲り受けてから数ヶ月、確かに異常とも言える程に順調だ。
『やるじゃねぇか、次はドコと戦するんだ?』
『そうだな特に考えてないな。古河足利と那須家を分断してやったから…那須家の方かねぇ?』
義重は龍の方へ近付き、畳が敷かれた床にドカっと座る。
『なら俺が那須家を相手してやろうか?』
『ん、良いのか?助かるわ』
『遠慮すんなよ。俺も暇でなぁ…戦がしたくてしたくて堪んねぇぜ。ハッハッハ』
『ふふ…なら俺は古河足利を攻めて、そのまま武田を潰してやるか』
真田家最後の上田合戦から半年以上は経っているが、まだ武田のやり方に対して龍は何やら収まらない物がある。
『なら決まりだ。三國家の軍団長の俺は北に領土を広げてやるぜ』
『おいおい、俺がいつ義重を軍団長に任命したんだよ』
また何を…と龍は笑う。
『なんだ?じゃぁ国主が良いのか?どんな役職でも良いぞ。お前の為に自由に戦える権利を貰えるならな』
『いやいや そういう問題じゃなくてよ、佐竹家として今の俺に名目上 屈した形になるのはどうなのよ?』
まだ早くないか?と龍は思っている。
『ん、もう良いだろ?お前は下野で一番手の大名だ、佐竹の上に立つには十分だろ?…俺の家臣には俺が決めた事に反対するアホは居ねぇよ』
しかし、義重と言うのは せっかちなのか何なのか…とにかく決断と行動が早い。
そこに裏表が無いから龍は気持ちの良い奴だと思ってるのだが…。
『いや…分かった。お前は一度決めたら説得しても無駄なのは分かってるから』
もはや龍には苦笑するしかない。
『よし、なら俺が北方方面軍団長だな。おい酒はねぇのか?盃を交わそうぜ』
『盃?ふふ…分かったよ。…義兄弟の契りでも結びたいのか?』
龍は弥五郎を呼び、酒を持って来てくれる様に頼む。
ついでに幸村と資正も呼んで貰う。
ココは宇都宮城だ。
宇都宮家を降した後、そのまま宇都宮城を三國家の居城とした。
幸村や佐助、才蔵…資正、弥五郎、雫、龍撃隊と上室賀村の住人などは全員宇都宮城に一緒に移動した。
この宇都宮城を拠点に古河足利やその周囲の勢力と当たる為だ。
桔梗城からでは有事の際に時間が掛かり過ぎる。
『よし、なら俺とお前は今日から義兄弟で、俺が家臣で、さらに軍団長だ』
『ふふ…はいよ、ヨロシクな』
面倒臭い儀式などしない。
…ただ盃を交わすだけだ。
それでも義重は絶対に裏切らないだろうし
本当に軍団長として暴れ回るだろうと思う。
龍は佐竹義重と言う男を心から信用して居るのだ。
友と言うのは そういう物だろう。
その日、龍と義重、幸村、資正の4人は一晩中 将来の事について語り飲み明かした。
LOOP H☆Rと言うバンドに衝撃を受けました。




