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夢幻の戦国記  作者: やっさん
第三章 雲龍風虎
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三面六臂6

数分後、今度は鏑矢を1本上空に放つ。


それを合図に龍撃隊が最大限届く所まで魔術砲を撃つ。

敵に当てるのが主目的ではなく敵の眼前に煙幕を貼るのが目的だ。


そして間髪入れずに幸村、資正の部隊が敵部隊に襲い掛かる。


後を続いて笠間、益子の両部隊も突撃を開始した。



龍撃隊は味方の頭上を超えて魔術砲を放ち続け、味方の援護役に徹していた。



『辰治、ちょっとココは任せたよ』


辰治と言うのは龍撃隊を什長で元上室賀村の先代の村長だった男だ。

龍撃隊の中では雫の次の役職に居る。



『龍さん、任して下さい』




辰治に龍撃隊の指揮を任せると、龍は幸村の部隊の居る、乱戦の真っ只中へと移動して行った。







『なんだ…なんなんだ この爆発と土煙は…今、味方の兵共は、どうなっておる!』



『広綱様、敵部隊の真田隊と…太田資正隊が斬り込んできている様で前線の味方劣勢です』



『では すぐに前へ兵を送った方が良いではないのか!?』



『ハッ…すぐに!』



広綱の指示を伝える為、伝令役は急ぎ前方へと走って行く。



しかし、広綱は龍に関わると行動が裏目裏目、後手後手になる。

若過ぎる為に経験がある訳ではない

ほとんどを家臣、いや芳賀高定に頼り切って居た。

その高定が居ないとなると 自信のなさも相まって

何をすれば良いのか、何をすれば正解なのかが分からなくなるのだ。



そして前線に兵を向けろと指示を出し、本陣の周りが薄くなると、今度もコレが裏目になる。




『お、居た居た。君が宇都宮広綱かな?』


声がした方に広綱が振り向くと、そこに見慣れない30代くらいの男が立っていた。

格好は足軽…いやもっと貧相な防備だ。



『お主は誰だ!』


広綱の発した声に周囲の兵が一斉に男に刀や槍を向ける。



『俺?俺は三國龍。今お前等が戦ってる敵の大将って事になるかな?』



『…なに!?そんな貧相な格好で大将な訳がないだろ!』


広綱の感想は至極真っ当だ。

大将が甲冑も無しで戦場…いや敵の本陣に一人で居る訳がない。



『貧相ってかい』


龍は貧相と言われた事に笑い出す。


『あまり重装備で居たら動き難くて嫌なんだよね。指示だけ出して後ろで踏ん反り返ってるってのも微妙でしょ』




『(微妙…?)それが普通ではないか。大将が死んだら負けだぞ』



『死なない自信があるからな』



広綱はもう一度、龍の格好を見る。

腰に小さな弓と背中に矢筒を背負ってる以外は刀も槍も武器は持っていない様に見える。




『この距離では、お主が矢を放つ前に兵共の刀の錆になるぞ』



『ならねぇさ。けど矢も放たないな』



何も武器を持っていない不気味さ

そして この自信のある表情と言葉。


広綱は龍と言う男を前にして少し戸惑うが

本当に敵の大将であれば自軍の本陣にたった一人で現れた好機だ。

なんとしても捉えなければならない。



『かかれ!』


広綱の号令に本陣内に居る兵が龍に一斉に斬りかかる。



…が 斬りかかった順にその場にフラっと兵が倒れて行く。



上泉信綱や佐竹義重などに比べれば 個人修練もロクにしていない兵など龍の相手になる訳がない。



『な…なんなんだ!何の術だ!いや何かの固定特技(スキル)か!』


固定特技については どんな種類があるのかは知らない。

知らないが 襲い掛かって来た兵が勝手に気絶する様な都合の良い特技なんか

(ある訳ないだろ…)と龍は思った。



『いや、魔術だよ。訓練次第で誰でも使える様になる雷の魔術だ』



そう言われても広綱は、魔術など基本のただ飛ばすだけの物しか知らない。

普通はそうだろう。

ただ龍の発想がオカシイのかも知れない。



『よし広綱殿、悪いけど捕縛するよ』



『ぬ…』


広綱は刀を抜き構えた。

剣術は多少だが護身程度には習った。


だが 龍に向けて走り出そうとすると背中に受けた事のない衝撃が走った。


龍が後ろに周り、手に雷術を纏わせ触れただけなのだが…

簡単に言うと電気ショックだ。



『ぐぐッッ……なにを…し…』



広綱の意識は遠くなって行く。

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